翌日、昼過ぎにユウカに電話したが繋がらなかった。
三十分ほどして返事がきた。
「ゴメンね、ちょっと出れなくて、、、どうしたの?」
「これから逢えないか?話があるんだ、、、」
「うん、、、でも今、友達といるから、、、1時間後でいいかな?」
「分かった、、、家で待ってる、、、」
ユウカが来たのは2時間を過ぎたあとだった。
「リョウタ、ゴメンね、、、遅くなって、、、」
「外に出よう、、、」
リョウタは封筒を手に家を出た。
ユウカは拍子抜けした気分だった。
部屋に招かれ話のあとは久しぶりにリョウタとの熱
いひと時を過ごすつもりでいた。
「友達の話がなかなか終わらなくて、、、」
「、、、」
「怒ってる?本当にゴメン、、、あっ、もちろん友達は女だからね、、、」
「そうか、、、」
リョウタは公園の例の東屋に向った。
今日も周りに人気は無い。
「座れよ、、、」
「う、うん、、、」
向かい合って座る二人にぎこちない雰囲気が流れる。
「なんか、、、久しぶりだよね、、、リョウタが誘ってくれて、、すごく嬉しい、、、」
取ってつけたように甘える声をかけてくる。
「誰と逢ってた?」
目を合わすことなくリョウタが尋ねる。
「えっ、、、女友達だよ、、、彼氏のことで相談されて、、、」
「お前、、、もうウソや隠し事はしないんじゃなかったのか?」
「そんなこと、、、ウソじゃないよ、、、」
「これ、、、見ろよ、、、」
リョウタが封筒を渡した。
「何、、、これ、、、」
ユウカは怪訝そうな表情を浮かべ中を開いた。
そこには、、、
ユウカの過去、、、男性遍歴が書かれていた、、、
小6の時に家庭教師だった大学生との初体験から始まり、次々と他の男たちと関係を結んでいった。
中学になってからは同じ中学生はもちろん、ナンパされた高校生、中には父親の友人までも、、、
期間が重なっているときもある。
高校に入ってからは、すぐに3年の先輩と。
その後、、、横川、、、
そして、、、
妊娠、、、
堕胎、、、
それが原因で別れ、、、
おそらくそれがショックで、暫く期間を開けて、、、
リョウタ、、、
落ち着いたように見えたが、1ヶ月前から初めての相手、今は社会人の薬田ショウマと関係を復活させる。
日を空けず密会を続けている。
二人がキスをしている写真、男の肩に甘えるように頭を預けているものもあった。
この前に逢ったときは寂しかった、すごく逢いたかったと激しく求めてきたのに、、、
その裏では他の男とヤりまくっていたんだ、、、このオンナは、、、
ユウカの顔は青ざめていた。
「ウソだと言わないのか?」
「、、、」
「今日も逢ってたんだろう?」
「ゴメン、、、なさい、、、」
「今日、遅れて来たのは、、、俺との電話のあと、、、セックスしたからだよな?」
「ゴメンなさい、、、わたし、ゴメンなさい、、、」
「俺を待たせて、、、他の男とセックスしてイッたんだな、、、」
「わたし、、、最低でした、、、ゴメンなさい、、、」
その状況を悦んで受け入れたということだな、、、
怒りはもうなかった、、、
虚しいだけだ、、、、
「初めての男は、忘れられないか?」
「そうかも、、、知れない、、、でもセックスだけ、、、寂しかったの、、、本当に好きなのはリョウタだけ、、、」
「セックスだけって、、、そんなこと簡単に言うんじゃない、、、セックスは入れて終わりじゃないんだよ、、、キスをして、カラダを舐め合って、いやらしい声を出して、、、互いのカラダを繋げて、男が射精して、、、ユウカがその男の性器で絶頂して、、、今日、お前は俺と逢う前に平気で他の男とそうやって愉しんで来たんた、、、今日以外にも何度も何度も、俺に隠れて、、、」
「寂しかったの、、、リョウタがわたしから離れていく気がして、、、すごく怖かったの、、、」
「お前は寂しくなったら、、、他の男とセックスする、、、そういうオンナだということだな、、、」
「ああ、わたし、、、わたし、、、酷いこと、、、」
ユウカの顔が絶望に歪む。
「もう、、、無理だよね、、、」
「お前は、、、俺にバレたら終わりだと分かっていながら浮気を続けていた、、、」
その通りだ、、、
そのスリルと背徳感を愉しんですらいた、、、
「だから終わりだ、、、完全に、、、」
立ち上がるリョウタにユウカは縋り付こうとした。
「触るな!さっきまで他の男の男のカラダをいじっていた手で!」
ビクンと身体を震わせ動きを止める。
それでも必死に見つめてくる。
「お願い、、、最後にもう一度だけわたしを抱いて、、、ちゃんとカラダをきれいにするから、、、愛しているリョウタとの最後の思い出にしたいの!」
「お前との思い出なんかもう無くなった、、、そんなにシタかったら今からまたクズ男に逢いに行け。」
「クズ男、、、」
「小学生の女の子とセックスする大学生なんて、クズ中のクズだ、、、胸糞悪い、、、しかも横川の子どもまで、、、」
リョウタが去っていく。
全て知られてしまった、、、
もう本当に終わりなんだ、、、
その場に力なくしゃがみ込んだ。
嗚咽が漏れる、、、
両手で顔を覆う。涙が止めどなく流れた。
つづく
※元投稿はこちら >>