事態がどんどん悪くなってる。
このままでは二人の関係が終わりを告げるのは確実だ。
もうなりふりなど構ってはいられない。
翌日、午前中道場で汗を流したリョウタは昼食を取ったあとベッドに横になった。
昨日のアリサの話が頭をよぎる。
まさかと思いながらも、ユウカにとって、所詮俺は今までの男達の中の単なる一人に過ぎないのではと考えてしまう。
いずれにせよ、もう以前のようにユウカを信じ切ることはないだろう、、、
それだったら、、、
「リョウタ、、、ユウカちゃんが来てるわよ、、、」
ドアの外から美子の声がした。
「会いたくない、、、」
それを聞いて美子が部屋に入ってきた。
「リョウタ、何があったかは知らないけれど、話だけは聞いてあげなさい、、、どうするかはリョウタが決めること、わたしは何も言わないわ、、、ただ一方的に拒絶することは間違ってる、、、リョウタだったら分かるわね?」
「分かった、、、話は聞く、、、」
「流石はわたしの息子、、、ちゃんと本音で話すのよ、、、」
美子が部屋を出ていく。
しばらくしてユウカが入ってきた。
昨日よりも更にやつれて見えた。
頬も少しこけたような気がする。
「ごめんなさい、、、いきなりやって来て、、、それなのに会ってくれて、、、ありがとう、、、」
「うん、、、話は聞くよ、、、」
嘘偽りのない事を話さなければならない。
居住まいを正すようにしてユウカは話し始めた。
「あの頃のわたしは本当にイヤなオンナだった、、、自分はキレイで特別だから男から告白されることなんか当たり前だと思ってた。横川に告られたとき、顔もいいし、カッコいいし、女の子にも人気があるから、わたしと釣り合うなんて浮かれた気持ちでOKした、、、すぐにセックスもして、、、アイツ、、、慣れてたから、、、上手で気持ち良くて、メチャクチャイカされて、、、正直、好きになってた、、、こんなイケメンが恋人だって周りに自慢出来るって、、、いい気になってた、、、」
ユウカも他のオンナ達と変わりがないと言うことか、、、
あまり聞いていて、いい気はしない、、、
でも本音をぶつけてくれているのはハッキリと分かった。
「でも横川の本性がすぐに分かったの、、、嘘つきでカッコばかり気にして、中身が空っぽで、頭の中はセックスだけ、、、他の女にすぐ目がいくくせに独占欲が強くて身勝手ばかり。しまいにはハメ撮りさせろとか、他の女を入れて3Pするぞと言い出して、、、すぐに愛想も尽きて大嫌いになった、、、そしてキッパリ別れた、、、未練がましくしてたけど、クズ男、二度とわたしに近づくなって言ってやった。だからアリサの言ったことなんか絶対にしてない、、、お願い、、、信じて、、、」
こらえていた涙が溢れ出す。
「俺はユウカの過去は気にしないつもりでいた、、、今のユウカにとって俺が一番ならそれでいいって、、、気にしたらダメだって自分に言い聞かせてた、、、」
「一番だよ、、、ずっとリョウタが一番だよ!」
「でも実際は、、、ユウカがあんな見かけだけの最低の男を受け入れたなんて、、、信じたくなかったし、、、すごく気分が悪かった、、、」
「ごめんなさい、、、わたし、浅はかだった、、、バカだった、、、」
「俺は小さい男だ、、、カッコつけて、なんだかんだ言ってユウカの過去にこだわってる、、、横川とセックスしてユウカが何度もイカされたことが、、、たまらなくイヤなんだ、、、」
ユウカはボロボロに泣き出した。
「ずっと後悔してた、、、リョウタが大好きになって、、、こんなに人を好きになったのは初めてだったのに、、、そのリョウタに初めてを何もあげられなくて、、、それがすごく辛くて、、、わたしバカだから簡単に考えてた、、、全部、、、リョウタに初めてをあげたかった、、、」
ユウカが想いを込めて必死に訴えてくる、、、
「ユウカにはもっと相応しい男がいるよ、、、俺は過去に拘るつまらない男だ、、、」
「イヤだあ、、、リョウダだがら、、、わだじはがわっだの、、、リョウダじゃないどイヤだあ、、、」
もうボロ泣きだった。
あのクールな美貌が涙でビショビショだった、、、
そのうえ鼻水まで、、、
それなのに、、、少しも汚いとは思わなかった、、、
愛おしさがこみ上げてくる、、、
気持ちが揺らぐ、、、
「わだじ、、、もっど、がわるがら、、、もうがぐじごとなんでじないがら、、、チャンスをぐだざい、、、」
ダメだ、、、こんなユウカを見捨てることは出来ない、、、
やっぱり俺はユウカが好きだ、、、
「分かった、、、」
抱きしめていた。
「ほんどに、、、ゆるじでぐれる?」
「ああ、、、やっぱり俺はまだユウカが好きだ、、、」
「わだじも好ぎ、、、もうリョウタを裏切るようなごどは絶対にじない、、、」
しゃくり上げながらしがみついてくる。
髪を撫でる。
「ユウカ、、、鼻水、かもうな、、、せっかくの美人が台無しだぞ、、、」
「うん、、、自分で、、、ずる、、、」
「ダメだ、、、ほらチーンして、、、」
リョウタがティッシュを手に持ってユウカを促す。
チーンがすむと涙も優しく拭う。
ユウカがようやく落ち着きを取り戻し恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
「汚いのに、ゴメンね、、、」
「そんなことないさ、ユウカだからな、、、」
「良かった、、、」
再びユウカが抱きついてきた。
その背中を撫でる。
「ユウカ、痩せたよな、、、」
「だって、、、リョウタがいなくなると思ったらご飯も喉を通らなくて、、、」
そんなに俺のこと、、、
「そうか、、、でもこれからはちゃんと食べないと、、、オッパイが萎んじゃうぞ、、、」
「そんなのイヤだ、、、オッパイ小さくなったらリョウタに捨てられる、、、」
「お前な、、、俺のこと何だと思ってるの?」
「プリンプリンなデカパイが大好きなエッチな人、、、」
「うっ、、、まあ否定は出来ないけど、、、」
「でも大好き、、、」
頭をスリスリしてくる。
「俺もだよ、、、そうだこれから二人で何か食べに行こうか?」
いつの間にか夕飯時だ。
「うん、、、パンケーキがいい、、、わたし、お腹ペコペコ、、、」
「よし、そうするか、、、」
「それから、、、そのあと、、、」
「んっ?」
「仲直りエッチしたい、、、」
「うん、、、俺も、、、」
「いっぱい、、、激しいのがいい、、、」
「パンケーキのこと?」
「リョウタの意地悪、、、」
拗ねるような目で睨まれる。
かわいいな、やっぱ、、、
唇を重ねると両腕を首に回してきた。
舌が触れる、、、熱い口づけ、、、
すごく久しぶりのような気がした。
「あん、リョウタだと、、、キスだけでイッちゃいそう、、、」
ユウカが甘く囁いた。
つづく
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