ユウカは塞ぎ込んだ毎日を送るようになった。
リョウタには避けられ、いつの間にかジュンペイと関係があったことが噂に広まっていた。
犯罪者の元カノ。
いつも周りでチヤホヤしてくれた友人たちはいなくなった。
心の奥にあったユウカへの嫉妬がある意味これを機会に噴き出したのかも知れない。
みんなが遠巻きにユウカを好奇の目で見ながらヒソヒソ話をしている気がして、居た堪れない孤独感に打ちひしがれた。
そしてたまに声をかけてくるのは学校の嫌われ者ばかり、、、
いやらしい目つきでユウカを見つめてくる。
「寂しいんだろう?俺が慰めてやろうか?」
露骨に誘ってくる者もいる。
そんな誘いはもちろんこっ酷くはねつける。
分かってはいたけど、、、
皆がわたしを軽い女だと思ってる、、、
そして、リョウタがいない毎日がこんなに味気無く
辛いものだとは、、、
いつも穏やかで嫌な顔ひとつせずに、どんな話でも聞いてくれた。
わたしをいつも一番に大切にしてくれていた。
わたしを好きでいてくれることが本当に嬉しかった。
彼の腕の中で本物のオンナの悦びを知った。
いつも自分の快楽よりも、わたしを気持ちよくすることを考えてくれ。
他にこんな人はいなかった、、、
リョウタを失いたくない、、、
このまま終わってしまいたくない、、、
ちゃんと話をしたい、、、
本当の気持ちを伝えたい、、、
汚れた自分の過去、、、
自分の虚栄心と快楽に溺れ、軽い気持ちで見栄えのいい男と関係を結んできた。
でもリョウタだけは違う、、、
わたしを変えてくれた。
心からリョウタを愛してる、、、
元には戻れないかも知れない、、、
けれど、罵られてもいい、、、
そばにいられるだけでいい、、、
ユウカは心に決めた。
リョウタの家のそばの公園で帰りを待つことした。家に帰るときは必ず通るはずだ。
しばらくしてリョウタの姿が見えた。
しかし、、、なぜかその横にはアリサが、、、
どういうこと、、、
あの件以来、リョウタはアリサのことも避けていたはず、、、
二人はこちらに向ってくる。
すぐに二人はユウカに気づいた。
「ユウカ、、、どうしてここに?」
アリサがあからさまに不機嫌そうに尋ねてくる。
「リョウタに大切な話があって、、、」
「ふーん、、、でもわたしが先よ、、、そうだ、ちょうどいいわ、ユウカも一緒に来て、、、」
リョウタは無言だった。
そしていつものような優しげな瞳はなかった。
三人は東屋に移動して、それぞれに座った。
辺りに人はいない、、、
「アリサ、話は何だ?」
リョウタの言葉に身を乗り出し話始める。
「リョウタ、わたし分かったんだ、、、わたしとリョウタは騙されていたんだって、、、」
「どういう、、、ことだ?」
「全部、横川のヤツがわたし達を陥れるためにやったことなんだよ、、、ユウカと組んで、、、」
「陥れるって、、、」
「アリサ、、、何言ってるの?」
全然意味が分からない、、、
「ユウカは黙っていて、、、リョウタ、とにかく聞いて、、、」
アリサの目は真剣だった。
「経験のないわたし達は二人の作戦にまんまとハメられたんだよ、、、」
「どうして、そんなことをする必要がある?」
「わたし達が幼馴染で似合いのカップルだったから、、、わたし達、もうすぐ結ばれる運命だった、、、そして皆に祝福されるはずだった、、、それが気に食わなかったんだと思う、、、」
「まさか、、、それに俺たちはただの幼馴染で、、、」
「リョウタは分かってないよ、、、二人がいなければ、わたし達は今頃絶対に恋人になってた、、、」
それは、、、ないとは言い切れないけど、、、
「二人はそれが気に食わなかった、、、ほらいるじゃん、、、幸せそうな人に意地悪して悦んでるヤツ、、、
人の気持ちを傷つけることを暇つぶしみたいに平気でやるヤツ、、、横川もユウカもカラダを使ってわたし達を誘惑して弄んで陰で笑ってたんだよ、、、二人でセックスしながら、全部報告し合ってたんだよ、、、」
「違う!そんなことしてない!わたしは、、、」
思わず叫ぶように声をあげる。
「証拠はあるのか?」
「あるはずないでしょう、、、残念だけど、、、でも辻褄はあう、違うという証拠もない、、、わたし達は被害者
なの、、、」
「違う、そんなことするわけない、、、リョウタが好き、本当に、、、」
信じられない、、、信じたくない、、、
しかしユウカの言葉も、鵜呑みには出来ない。
「一方的に被害者と言うけど、、、それは違うんじゃないか?」
「どういうこと?」
「俺はお前に忠告した、、、横川は信用出来ないと、、、お前は食ってかかってきたよな、、、アイツのこと分かってないって、、、わたしは分かってるって、、、お前は横川のことが好きだったんだ、、、だから初めてを捧げたんだろう?騙された?それだけじゃ済まされない、、、」
「それは、、、でもリョウタも悪いんだよ、、、ユウカと仲良くなっちゃうから、、、わたし、リョウタと初めて同士で全部と決めてたのに、、、すごく悔しくて、、、」
あの男に夢中になってたクセに、、、
都合が悪く慣れば手のひらを返したように、、、
勝手なものだ、、、
誰もが自分の都合の良いように話を変えてくる、、、
「今更どうしょうもないことだ、、、話をしても仕方が無い、、、もうよそう、、、」
リョウタが席を立つ。
「待って、、、わたしの話がまだ、、、」
「ユウカ、今はやめよう、、、アリサの話を信じた訳じゃない、、、でも気持ちの整理がつくまでは何も聞きたくない、、、」
「そんな、、、」
リョウタは振り返ること無くその場を去った。
つづく
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