「違うよ!リョウタをまもるためだよ!」
「俺を、、まもる?」
「そうだよ、、、あんな男でも、ケガをさせたら、、、リョウタだって、タダじゃ済まなくなっちゃうから、、、」
本当なのだろうか?
ほんの少し前までだったら素直に信じていただろう、、、
でも今は、、、
ユウカはあんな男と恋人同士だった。
顔と見かけだけの、何もないヤリチン最低クズ野郎、、、
過去のこととはいえ、ユウカはそんな男に抱かれていた。
唾液を絡め合いキスをして性器をシャブりカラダを繋げイカされ射精された、、、
何度も何度も、、、
きっとヤツの名を呼び、好きと叫びながら全身でしがみつき絶頂したはずだ、、、
ユウカは顔さえ良ければ、あんな男でも恋することができるオンナだった、、、
ユウカへの信頼が崩れ去っていく。
ユウカに過去があることは分かっていた、、、
それにこだわる気はなかった。
それをとやかく言う権利など無いことも分かっていた。
しかし、、、あの男だけは別だ、、、
ユウカが怯えたような、すがるような視線をリョウタに注いでくる。
今はダメだ、、、
今口を開けばユウカを傷つける言葉しか出てこない、、、
リョウタは一人教室を出た。
「待って、リョウタ、、、」
追ってくる声を無視して校舎を出る。
すると校門の方から怒鳴り声が聞こえてきた。
「テメエ、人のオンナに手を出しやがって!」
ヤンキー風の男女がジュンペイに絡んでいた。
ふたりとも金髪。
男はガタイがよく腕っぷしが強そうだ。
女は化粧が濃く、胸がやたらに大きい。
露出の多い派手な服装だった。
「そんなの知らねえよ、、、お前のオンナがホテルにホイホイついてきたんだろうが、、、」
「エイト、そんなのウソだよ、、、こいつが無理やり、、、彼氏いるからダメだって言ったのに、、、」
「よく言うぜ、イキまくりだったくせに、、、俺のデカチ○、シャブりまくりだったじゃねえか、、、」
「この野郎、ウソつくな!」
ヤンキー男がジュンペイの胸倉を掴む。
そばではアリサがハラハラしながら怯えたように見つめている。
そしてリョウタを追ってきたユウカも、、、
この男、、、救いようがないな、、、
「離せよ、このノータリンのヤンキーが!」
いきなりジュンペイが男を殴りつける。
唇が切れ出血する。
「キャアー!」
アリサとユウカの口から悲鳴が漏れる。
「このクソが!」
ヤンキーが反撃にでる。
腹にいきなり蹴りを入れる。
「グエッ、グフぉ!」
ジュンペイを引きずり倒しマウントを取る。
こいつ、ケンカ慣れしてる、、、
顔面を殴りつける。
まずいぞ、大怪我になる、、、
さすがにやり過ぎだ、、、
リョウタが駆け出し止めに入る。
「やめろ!」
「うるせえ!」
男は逆上し目が血走っていた。
そこへ校舎から飛び出してきた教師たちが二人を取り押さえた。
「何をやってるんだ!」
「コラ、やめろ!」
「お前たち、こっちへ来い!」
男たち二人とヤンキー女、そしてアリサは教師たちに連れられ校舎に入って行った。
ジュンペイは血まみれで顔が無残に腫れ上がっていた。
それを見たユウカがヒィと再び悲鳴をあげる。
他にも何人かの生徒たちがジュンペイの姿を見ながらヒソヒソと話をしていた。
リョウタは無言で歩き出した。
ユウカが追って来て腕を掴んでくる。
「リョウタ、わたしの、、、話を聞いて、、、」
「聞きたくない、ついてくるな、、、一人にしてくれ、、、
お前はあのクソ野郎のそばにいればいい、、、心配なんだろう?」
「そんな、、、リョウタ、、、」
リョウタはユウカの手を振りはらい再び歩き始めた。
ユウカはあんなクズ中のクズと、、、
オンナとヤルことしか頭にない男。
顔がいいだけで夢中になって簡単にカラダを許す、、、
ユウカもアリサもあのヤンキー女も、、、
やりきれない、女なんて信用出来ない。
何度もユウカやアリサから連絡が入ったが、ことごとく無視をして過ごした。
学校で声をかけられても視線を反らし応えることを拒み続けた。
ユウカは寂しそうに佇んでいた。
横川は退学処分となった。
ヤンキー女に不同意性交の罪で訴えられ、捜査の段階で関係を持った人妻を脅し、売春を強要したことまで発覚し、横川は犯罪者となった。
本当に呆れ返るほどに腐った男だったんだな、、、
ひょっとしたらユウカにも、売春を、、、
吐き気がした、、、
リョウタは全てを断ち切るように拳法と勉強に集中した。
つづく
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