机には向かったけれど集中出来ない。
今夜の義母さん、、、いつもとは少し違ってた、、、
優しげな美貌は変わりがないが、、、なんというか、、、オンナの色気が漂っていた、、、
気のせいだとは思うけど、、、あのユウカに負けない大きな胸をまるで見せつけるようにして、、、
ひょっとして義母は寂しいのかも知れない、、、
父は仕事ばかりで何もかも義母任せだし、、、
リョウタの頭にある女性が浮かんでいた。
高穂シオリ、、、
リョウタの初めてのオンナ、、、
中三のとき、道場をしばしば見学に来ていた人妻だった。
年は32、今の義母と同じ年齢。
くびれヘアレイヤーカットの艷やかなブラウンヘアーの人目を引くほどの美しい女性だった。
160ほどの身長でスラリとした手脚の長いバツグンのスタイル。
そしていつも上品で優しい穏やかな笑みを浮かべている。
いかにも良家の若奥様の雰囲気が漂う年上の女性。
ある日、道場の帰り、そんなシオリに声をかけられた。
他愛もない会話だったが、いつしか二人は姉弟のように親しく話をするようになった。
連絡先を交換し二人で逢うようにになり、リョウタはシオリに憧れを抱くようになっていった。
初めて家に誘われた日、シオリはリョウタに話をしてくれた。
一流企業に勤めるエリートの夫は仕事が忙しく妻のシオリにあまり構ってくれない。
専業主婦のシオリはパートでもと夫に話をしたところ、とんでもないと即座に却下されてしまった。
俺の稼ぎじゃ物足りないのかと詰め寄られ諦めるしかなかった。
夫はエリートらしくプライドが高く、妻は家にいるものと決めつけていた。
二人の間には子供もなくシオリは寂しかった。
それでも夫の愛情だけは信じて堪えていた。
それなのに夫にはオンナがいた、、、
入社二年目の若い女の子。
夫の部下だ。
意を決して夫に詰め寄ると勘違いするな、お前の思い込みだと取り合おうともしない。
それ以来、いつも夫の機嫌は悪く、ほとんど会話もない。
何もかも打ち明けたシオリは辛くてすごく寂しいと言ってリョウタの胸にすがりついてきた。
こんなにキレイで優しいひとを傷つけるなんて、、、
リョウタは優しくシオリを抱きしめた。
シオリさんには俺がいますから、、、ずっとそばにいます、、、
そう言って髪を撫でるとシオリは泣き始めた。
リョウタは何も言わずにシオリの背中を撫で続けた。
シオリが顔をあげ、涙で濡れた瞳でリョウタを見つめてきた。
「わたし、好き、、、リョウタくんが大好き、、、」
そう言って唇を重ねてきた。
その日、リョウタはオンナを知った。
つづく
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