鬼崎と別れ自宅への道のりで、やはり違和感を感じていた。豪華な和食から花火と言うか刺激的な前戯?から高級なホテルでまったりセックスを楽しむと思っていた。予定を聞いていたわけではないがいつもそんな感じである。
自宅に着きすぐにシャワーを浴びてそのままベッドで朝を迎える。
鬼崎の方はひでみとのセックスに最近は燃えなくなっていた。ひでみの父親と知り合いで小さい頃から知ってるひでみを愛人にしている、始まりも呆気ないものであった。何より社長の父親と話していて、娘の全てを知っている優越感みたいな感覚は下衆だが心地よいのである。
しかし、やはり不倫ばかりで既婚男性の性欲処理みたいな30年を過ごしたひでみであるが所詮は素人であり相手の男性を楽しませるより自分の食欲物欲性欲を優先していて疲れるのである。
男性が求めるどんな変態なプレイに付き合ってくれるのはあくまで快感を貪欲に求めるからである。
「ただのヤリマンが・・」
1人つぶやく
ひでみは昼ごろまで寝ていてご飯と味噌汁を朝昼兼用でしっかり食べると昨夜カーセックスで使った車中泊仕様の軽バンのドアを全て開けて風を通し積んである毛布やクッションをファブリーズする。
掃除をしていると昨夜の黒い強力ローターが転がっていた。すでに電池がなくなっていたが、誰かに見られたら大変であった。
わざと忘れていったのか?ローターを洗面所で洗いながら
「凄いパワーで膣が破壊されそう、ちっちゃいのに」
最初はキツすぎて嫌だったハイパワーなローターだが1人で楽しみたくなり寝室で一つは膣に一つはクリトリスに当てながら楽しむが、兎に角振動が凄くて手に持っていられない、二つを膣に入れるとプラスティック同士が当たり怖いので二つともコンドームにいれ膣と肛門にいれ久しぶりに新しい刺激と言える強烈な振動に身を任す。
気がつくと夕方3時過ぎになっていた。
急いで花柄のワンピースにブランド腕時計に白いヒールを用意する。
今から先週のフェラーリポルシェツーリングで撮った動画を皆んなで見てお酒でも飲むパーティーに誘われていた。
国産スポーツカーに乗り信号待ちでLINEを読む
鬼崎から
「ハイパーブラックローターを車に忘れてしまいました。そうとう気に入ってたようだから午後からそれで楽しんだと思います。プレゼントします」
なんか道具にされた感あるが不倫だから仕方ないと最近は認めてしまうひでみだった。
自宅から離れた駅に国産スポーツカーで行き鈴木のが改札に迎えに来てもらい隣の県のクラブメンバーの風谷と言う50代男性でフェラーリの新車を乗り継ぐクラブのサブリーダー的な人物、風谷の自宅に向かう。駐車場の関係もあり電車とタクシーを使う。鈴木はチラチラと視線を送り、多分したいのだろう?でも時間がないのでそのまま風谷の自宅に到着した。
広い敷地は郊外ならではである。綺麗な庭はところどころライトアップされている。庭に面したコンクリートの建物に木製コテージがある。
「こっち、こっち」
とメンバーの声のする方に歩いていく。
コテージには豪華な料理とお酒が用意してある。1番奥にポルシェリーダーと風谷が陣取り
「ようこそ、ゆっくりしていってください」
風谷の背後にはガラス張り車庫に愛車のフェラーリが鎮座していた。
どちらともなく椅子を出してくる。鈴木とひでみの関係は皆知っているし一泊ツーリングでポルシェリーダーの部屋にひでみが行ったことも知られているが、フェラーリポルシェに乗るのは見栄でもあり女性にモテたいからであるのは明白な事実。
男女は楽しめば良いと言うか考えが大半である。
会場にはガールフレンド的なミニスカや胸を強調した服装の女性が多くひでみは地味に見える。
ひでみとしてはそこが狙いでもあった。鈴木以外もLINEなどでやり取りはある。
着飾り美味しい豪華な食事のパーティー、ひでみはこのセレブ感が堪らなく好きだ。幸い父親の工場は順調で気楽な業務で普通の従業員の3倍以上の給料である。もっとこう言う場所に馴染みたいと思っている。鈴木が取り分けてくれる料理をいただきチラッとポルシェリーダーを見るが全くひでみを意識していない。
巨大な液晶に楽しそうなツーリングの様子が流れる。他のメンバーとも挨拶や雑談をするが女性参加者はひでみに対して愛想がないような?
1番は風谷の奥さんは料理を出したりするのをひでみが手伝おうとすると
「触らないでね、貴女は男性のお相手だけをして」
キツイ感じで言われた。男性のメンバーの1人もいつもLINEやり取りするのに今夜は避けてるような?
その男性はクラブ唯一の独身でギリギリフェラーリを維持している貧乏オーナーである。
お互い独身だしと思っていたが話そうとすると風谷の奥さんがその男性に「ちょっと手伝って」と連れて行ってしまう。
また他の女性参加者も会話に割り込んできて
「ひでみさん、既婚男性が好きでしょ、この人独身だから興味ないんじゃないの」
露骨に言われた。後ろで風谷の奥さんが笑っている。お調子者の鈴木が
「当たり前だろ、家庭を持つ男の哀愁が良いんだよ」
とフォローとも言えない冗談を言う。
えっ、何か変な感じ・・ひでみの表情が曇る。
鈴木と2人笑いの輪から離れたテーブルに移動した。動画など全く観ずにボォーッとした様子でいる。
私はセレブとは言わないけどこういう雰囲気が大好きでフェラーリも買うつもりなのに。
今日はもう帰ろうと決めた。鈴木に伝えると一緒に帰ると言う。
風谷とポルシェリーダーに挨拶し帰ろうとすると風谷が妻に駅まで送らすからと奥さんを呼ぶ。
「あなた、私は料理片付けがあるの、このひでみさんならどこかの他人の旦那が送ってくださるわ、ほら鈴木さんとか」
キツイ口調に風谷やポルシェリーダーは唖然とするが、それ以上にひでみにはグサリと刺さる。
「す、すまない、タクシー呼ぶから、それと鈴木さん、もう少しパーティーにいてくださいよ、せっかくだし」
重たい空気の中で鈴木は頷き会場に戻りタクシーを待つひでみと風谷と2人になると話だした。
「本当に妻の無礼を許してくれ、実は少し前に君がフェラーリモデナの中古車を買って、調子悪いと全額返金をもとめた事があっただろ?」
小さく頷く
「鈴木や他のメンバーとも、個人的に2人で車選びしてやっと見つけたけど、誰とでもイチャイチャしてら馴れ馴れしくしてたらように見られてね、返品の交渉は1人で凄い勢いでしたと聞いている。良い交渉ではなかったのはわかるね?あの中古車屋は妻の知り合いでね、まあ、フェラーリ関係だからすぐに広がる」
つまり色々な男性とイチャイチャしながら可愛くして車を選び、難癖つけて返品はガラが悪いという事で話が伝わり、ついでに他人の旦那とばかり付き合うと言う情報も出てきて女の敵。独身男性を経験豊富なテクニックで落とそうとしてもダメ、幸せになる資格はないと言いたいようだ。
ひでみは打ちひしがれながらタクシーにのり記憶はないが自宅に帰って腹が立って怒りで眠れず次の日を迎えた。
周りから不倫専門の既婚男性の性欲処理という扱いに悲しむのでなく怒りであった。
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