ホテルの部屋で1人になったひでみは久しぶりに違う男を味わい新鮮な気持ちでいた。
若い頃のバブルな感じがする。料亭も久しぶりだったし何よりも大下が男として逞しく感じていた。
付き合いが長い男性は60代が何人かいる。
ぐっすり眠り翌朝は大下がホテルに迎えに来てくれた。ポルシェのボクスターでひでみも良いなと思いながらポルシェ入門用みたいな位置付けがちょっと嫌でもある。見栄の部分であるが。
埼玉から東京の入り口あたりまでドライブをしランチをしてお土産をいただいた。別れ際に駅の立体駐車場にてキスから狭い車内でフェラチオをした。
大下は喜んでくれた。内心は狭い車内でも慣れた動きに感動すら覚えた。調査以上に男性関係、それも歳上男性に仕込まれた感がある。
ひでみは東京駅で会社や男友達のお土産を買い込んだ。新幹線では気がつくと眠っていた。
次の日は出張疲れもあったが、県境にある自動車好きの集まる喫茶店がありそこに行く、理由は大将が来ているからである。喫茶店に行くと大将の白いBMWがあった。何人かの仲間がテーブルを囲んでいるのがいつものパターンだ。店の扉を開け、体を半分入れて何人かテーブルを囲む輪の中から大将を手招きで呼び大将は来てくれた。
「これ、出張のお土産です。皆の分はないから、ここで渡すね」
「あっ、いつもありがとう、そうだ、ちょっと待って」
大将は店に顔を向け1人の女性を手招きした。
30代くらいの和風な顔立ちの女性がくる。
「オレ達結婚する、妻とは正式に離婚が成立したんだ。不倫っていわれて辛い思いさせたけど、愛菜美です」
「・・えっ、結婚、・・」
一種頭がパニックになる。たまに一緒にいたのを見ていたが
「あっ、おめでとうございます。お幸せに、あっ、私、これから用事があるから、ここで」
怒りから震える体、引き攣る顔、自分の国産スポーツカーに乗るとバックミラーにそんな自分の顔が映る。
すぐ自宅に帰り泣いた、大将とは車を通じてサーキットからイベントなど付き合いは深いし体の関係も5年くらい月2回はある。奥さんと冷え切っている分、私が彼の有り余る性欲を受け止めていた。勿論アブノーマルも含めて、私でない女と結婚とは。
女友達の風香に連絡したが家族旅行中であった。
モヤモヤしていると大下から電話があり少し話すと落ち着いた。
普段行きつけのカーショップに行き車中泊軽バンのオイル交換をしてもらう。カーショップのオーナー森脇が食事を誘う。このショップは大将からの紹介である。
オーナーもいわば車仲間で1人でショップを切り盛りしている。市内の居酒屋でノンアルで2人で色々話しをした。最終的に大将の話になった。
森脇は勿論ひでみと大将の関係を知っていた。愛菜美と言う女性の事も知っていた。
ひでみの心中を察しながら
「ひでみさんはモテるでしょ?お客様から聞いてる。高級外車の人とも仲が良いと聞いてるし、きっと良い人見つかるよ」
「えっ、やっぱり私の噂ってあるんですね、真実かどうかわからいのに」
「そうだね、でもモテ過ぎだよ」
笑いながら話しその話は切り上げられて店を出た。
自宅に戻りスッキリしない気持ちのまま、悔しさにまみれベッドに入る。LINEは全て既婚男性ばかり、未来はないな、私ってなんなの?
既婚男性の性欲処理とは夢にも思ってないのである。
続く
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