書斎の薄闇から、久しぶりに外の世界へと足を踏み出す。この山村の名主としての務めが、私を俗世へと引き戻す。
「孝宏、お出かけ?」
ネクタイを締め、背広に腕を通す私に、書斎の薄闇の中から一美が声を掛ける。彼女は、いつものように私の傍らに寄り添う。
「ああ、仕事だ。そうだ…お前も来い」
「え…」
一美の瞳がわずかに揺れた。一美は自らが[私にしか見えない存在]である事を理解している。その瞳には、戸惑いと、そして微かな怯えが宿っていた。
「ですが、孝宏さん…わたくしは……」
彼女は、何かを言いたげに口を開いたが、私はその言葉を遮った。
「準備はしてある」
私は、書斎の隅に用意しておいた麻縄を手に取った。その太く、ごわごわとした感触が、私の指先をくすぐる。一美は、私の手にあるロープを見ると、観念したように静かに私を見つめ返した。
「さあ一美。服を脱ぐんだ」
一美の身体を、私は丹念に縛り上げる。まずは、その華奢な首筋に麻縄を掛け、身体の前面にいくつかの結び目を作り、股を経由して背面から結び目と結び目の間を開く様に、縄を通していく。まるで芸術品を創り上げるかのように縄を絡める。
一美は全裸の羞恥に堪えながら、その白く柔らかい身体を私に委ね、私の熱の籠もった真剣な目を見詰めている。
彼女の身体は、次第に縄目によって食い込み、赤く鬱血し始める。縄の食い込んだ皮膚の凹凸、その隙間から覗く白い肌。彼女の緩く垂れた豊満な乳房は、縄の締め付けから逃れるように張り出し、股間を締め上げる縄の脇からは、黒く微かな陰毛が覗く。
私は、一美が持つそのすべてが愛おしく、神々しささえ感じた。
「美しいよ。一美。」
不意に漏れ出た私の低い呟きに、一美は頬を紅潮させ、その瞳に羞恥と歓喜混じらせた。
彼女は決して抵抗しない。その表情は、私への絶対的な信頼と、これから起こる快楽への微かな期待を湛えている。
「さあ、行くぞ」
そして、私は一美を、そのまま連れ出した。屋敷から外に出ると、昼間の陽光が彼女の裸身を容赦なく照らしつける。人通りのある場所へと向かうにつれて、一美の足取りは、私の命令に反して鈍りはじめた。
私たちは、村の中心にある市場へと向かった。そこは、日中から多くの人々が行き交い、活気に満ちている場所だ。人々は、私が名主であることに敬意を払い、私に頭を下げていく。しかし、彼らは、私の傍らにいる一美の姿には、誰も気づかない。彼女は、私にしか見えない、私だけの存在だからだ。
人通りの中で、亀甲縛りにされた裸の一美は、屈辱的な姿で佇んでいた。その瞳は、怯えと恥じらいで曇り、私に助けを求めるように揺れている。
だが、縄によって不自然に持ち上げられた乳房の尖端に佇む乳首は、恐怖と興奮で硬く尖り、秘部に食い込む縄の間からは、潤滑液が滲み出し、蜜のように光っている。私は、一美の身体をじっと見つめた。
彼女の身体は、嫌がりながらも、秘めた欲望に忠実に反応していた。
「孝宏…嫌…。人前でこんな…」
一美の声は、彼女の身体が見せる歓喜の反応を否定するように震えていた。その顔は、羞恥に赤く染まり、瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだ。
しかし、私は一瞥するだけで、彼女の言葉を無視する。この屈辱の光景こそが、私にとって何よりも甘美なのだ。
「美しいよ、一美。その羞恥に歪む顔も、縄に食い込む肉も、そして、お前から溢れ出す蜜も、すべてが」
一美は思わぬ肯定の言葉に身体を震わせた。その瞳は、恍惚と確かな快楽が入り混じっていた。
私は、市場の事務所に通され、事務長とこの村の議員である男と談笑していた。
彼らの口から語られるのは、村の将来や政治の動向に過去付けた己の利益の話ばかりだ。私は、適当に相槌を打ちながら、そのすべてを適当に聞き流す。
私の意識は、常に足元の一美に向けられていた。
私の下半身では、一美が懸命に奉仕を続けている。彼女の唇が、私の肉棒を包み込み、その舌が、私を快楽の頂点へと誘う。議員の甲高い笑い声が耳に届くが、私の意識は、目の前の甘美な感覚に集中していた。
「先生、この村の発展のためには、やはり先生のお力が必要不可欠でございますな」
議員の言葉に、私は適当な笑みを浮かべた。その間も、一美は私の肉棒を深く口に含み、上下に動かし続けている。その喉からは、甘く、そして苦しげな喘ぎが漏れる。彼女の肌は、興奮で桜色に紅潮し、口角から涎が糸を引いて落ちる。
「んっ…んっ…」
じゅぼっ…じゅぼっ…
一美の口元から淫靡な喘ぎと、肉棒を無心で味わう下品な音が響く。
「うん、そうだな。私も微力ながら、協力しよう」
私が、わざとらしく大きく頷く裏側で、私の肉棒は大きく痙攣し、大量の熱い精を一美の口へ放った。
「ごくっ……」
一美は、私の精液を舌の上で転がし味わい尽くしてから喉を鳴らして飲み込んだ。
その顔は、羞恥と快楽で歪み、その瞳は、私への愛を湛えていた。彼女は、私の精液を飲み干すと、満足そうに、私の肉棒を舌で丹念に掃除し、尿道に残った僅かな精をも吸い尽くす。その動きは、まるで子猫を慈しむ母猫のようでもあった。
会合を終えた私は、人通りの多い市場の片隅に立ち止まった。そして、一美に命じた。
「さあ、褒美をやろう。そこの壁に手を着いて自分で尻を開きなさい」
彼女は、この人通りの多い場所に麻縄で縛られた裸体を晒すのみならず、今まさに公衆の面前で肛門をも晒し、身を刺す背徳に濡れそぼった秘部を犯されようとしている。
それにも関わらず、私の言葉に一美は素直に従った。その顔からは怯えや迷いが消え、その瞳には、快楽を求めるメスの情欲が溢れている。
「こんな所で……?」
その声は震えていた。彼女は、周囲の人々の視線に怯えている。もちろん、彼女は私にしか見えないのだが、その想像力が彼女を苦しめ、昂らせるのだ。
一美は秘部に食い込んだ股縄をずらして、膣口を私に差し向ける。堰を失った膣口からは透明な愛液が一滴二滴と糸を引きながら落ちて地面に染みを作る。薄い茶に色素沈着した肛門から広がる放射状の皺が、陽光に照らされ美しく深い陰影を落とす。
「さあご褒美だ」
私の声は、冷徹だった。一美は、私の言葉に、ただ静かに顔を伏せて肉棒の侵入を待つ。その身体は、私の命令には逆らえないことを知っている。
彼女の腰に手を添え、ゆっくりと秘部に亀頭をあてがう。滴る程に潤った膣口は「ちゅぷ」っと小さな音を立て、私の肉棒合わせる様に拡がり、それを飲み込んだ。
突くと根元まで飲み込み、引くと陰唇が捕まえる様に、私の茶ばんだ陰茎を離すまいとだらしなく伸びる。その度に一美の肛門はまるで別の意思を持つかのようにヒクヒクと動いた。
白日に晒された彼女の肉体に現れる反応は、私の脳を焼き、強い興奮を与える。
「ほら人に見られているぞ」
「嫌ぁ!止めて!言わないで!」
一美は亀甲縛りにされた身体をくねらせて乱れる。口から発せられる嬌声は次第に音量を上げ、一美の絶頂が近い事を予感させた。
「んんっ!駄目っ!こんな所で!ああっ」
そう叫んだ直後、一美は身体を大きく跳ねて絶頂し、立っているのが困難な程に全身を大きく震わせて姿勢を崩し。弛緩に耐え切れずに陰裂から小便を零した。
「んん……」
一美の喉から、甘く、そして僅かに苦しげな吐息が漏れる。私は彼女が落ち着くのを待ち、共に帰宅の途に着いた。
彼女の歩みから怯えが消え、激しい絶頂後の疲労からか足元が覚束かずにふらついて居たが、その表情は、達成感と満足が滲んでいた。
書斎に戻り、ベッドで眠る一美を尻目に私はタイプライターに向かい、一美が見せてくれた生きた反応を具に記録する。
私は、私の手のひらの上にある政治も、人も、金も、そしてこの地位でさえも、いつでも投げ出す事ができる。
私の内なる欲望も。この醜悪な悦びを、誰にも知られることなく一美と享受する事こそ、私の生の全てだ。
私は、何と罪深い男だろう。愛する者を、人前で辱め、それを眺め、そして記録する。この業は、私をどこへ連れていくのだろうか。この底知れぬ欲望は、いつか私たちをも食い尽くすのだろうか。自らの業の深さに、私は静かに自戒しながらタイプライターを打つ手を止めた。
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