コウヘイはまだ二年だがバスケ部のエースだった。180を越える長身に鍛えられたしなやかな肉体。
それに学校一と言われるほどの端正な顔立ちのイケメンだ。
当然のように女にはモテまくりだが悪い噂も少なからずあった。
チャラついた性格で女癖が良くない。
可愛い女の子には優しいが、それ以外に対しては態度が横柄で自分勝手。
それもあって男受けは非常に悪い。
勿論イブキもそれは耳にしていた。
しかしこうして二人で居ると優しいし話は面白く、イブキはいつしかコウヘイは皆が考えているような男では無いのではないかと思い始めていた。
買い物を終え二人でマッ○で食事をした。
先入観からくる警戒心もすっかり薄れ話が弾む。
そんな中、ふと言葉が途切れコウヘイが熱い瞳でイブキを見つめていた。
本当にキレイな顔をしてる。
カッコいい、、、それにセクシーだ、、、
なぜかドキドキする、、、頬が熱い、、、
「イブキも、、、俺のこと、チャラいと思ってるんだろう?」
「えっ、、、」
「みんな、、、俺のこと、外見でしか見ようとしない、、、本当の俺を分かろうとしてくれるヤツなんかいない、、、」
コウヘイは寂しそうに言った。
「見た目だけでキャアキャア言ってくる女どもなんて、ずっと信用出来なかったんだ、、、」
そんなふうに思ってたんだ、、、
「でも、、、イブキは違った、、、マネージャーとして真摯に付き添ってくれた、、、」
コウヘイが身を乗り出し熱く囁いてくる。
「俺はそんなイブキがずっと前から好きだった、、、」
「そんな、、、でも、、、わたしには、、、」
「分かってる、、、大島がいるって、、、だから忘れようと思った、そうしないといけないって、、、でも、他の女と付き合っても、、、どうしてもイブキのことが頭から離れ無いんだ、、、だから長続きしなくて、、、」
「わたし、、、そう言ってくれるのは嬉しいけど、、、困る、、、」
そう、わたしにはカイリが、、、
「そうだよな、、、ゴメン、、、こんなこと言って、、、イブキには幸せになって欲しい、、、忘れてくれ、、、」
すごく辛そうにコウヘイはそう告げた。
わたしは、そしてみんなもコウヘイのことを誤解している、、、彼はきっと、、、ずっと孤独を感じていたんだ、、、
二人は店を出ると無言で歩いた。
しばらくして気不味い雰囲気の中、コウヘイが口を開いた。
「なぁイブキ、、、少しだけ、、、俺の部屋に寄って行かないか?」
「えっ、、、それは、、、」
コウヘイが一人暮らしをしていることをイブキは知っている。
「何もしないよ、、、ただこんな機会はもう無いかも知れないし、、、もう少しだけ二人だけで話がしたいんだ、、、」
「でも、、、」
寂しげなコウヘイの様子に気持ちが揺らぐ、、、
「自分の気持ちに区切りをつけたいだ、、、頼むよ、イブキ、、、」
イブキは断ることが出来なかった。
少し話すだけ、、、それだけなら、、、
すぐに変えればいい、、、
そう自分に言い聞かせた、、、
つづく
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