続けてイブキは学校を休んだ。
登校したのは休日明けの月曜日だった。
イブキとカイリが別れたこと、その原因がイブキの浮気であることは、ほとんどの生徒に知れる所となっていた。
イブキの顔色はすぐれなかったが、周りのヒソヒソ話を気にすることもなく授業に集中しているように見えた。
放課後、用事を済ませ、帰る準備をしているとスズネが声をかけてきた。
「カイリくん、待ってたんだ、、、一緒に帰ろう?」
「んっ、、、いいけど、、、」
あれから仕切りに声をかけてくる。
気を使ってくれているのだろう、、、
今も優しげに微笑むスズネと教室を出ようとすると、そこへイブキが近づいて来た。
「カイリ、、、本当にごめんなさい、、、わたし、ちゃんと彼とは別れたから、、、」
ようやく気づいたのか、、、
隠してハメ撮りをするクズさ加減に、、、
でもそれが本当なのかカイリには分からない。
「そうか、、、今さらだけどな、、、」
別れたとしてもバレたから、、、そういうことだ、、、
「それで、、、わたしも、、、その、一緒に、、、」
まるでそれを遮るようにコウヘイが教室に入ってきた。
「おいイブキ、マネージャーを辞めたって本当か?」
イブキは視線を落とした。
「、、、うん、、、」
「一人で勝手に決めるなよ、、、」
「そんなこと、、、もう藤原くんには関係ない、、、」
「おいおい、、、散々俺の腕の中でコウヘイって甘えてたくせに、、、なんだよ藤原くんって?」
「もう別れたんだから、、、当たり前でしょう、、、」
「あのなお前、、、電話で一方的に別れるって、、、それで済むわけないだろう?」
「どういうこと?」
「俺が処女をもらってやって、全部教えてやった、、、気持ちよがってたよな?イキまくりで俺のものなりたいって中出しもキメたよな?」
教室に残っていた数人がみんな、コウヘイとイブキのやり取りを固まったようにして見つめていた。
イブキは俯いて唇を噛み締めていた。
「どうせ大島とは別れたんだろうが、、、もうこれでお前は完全に俺のオンナだ、、、絶対に手放さないからな、イブキ、、、」
「、、、イヤだ、、、」
イブキは首を振った。
「しょうが無いな、、、大島いいことを教えてやるよ、、、イブキはな、、、この前、ラブホで自分から俺のションベンを飲んだんだぜ、、、浴室で口にジョーッて出してやったら、ゴクゴクってな、、、そしたら目を潤ませて興奮して、アソコをベチョベチョに濡らして、、、ハメたら吠える吠える、、、イキまくりでスゴかったぜ、、、」
「やめて!」
話を聞いたクラスメイト達が息を呑んだ。
ションベンって、、、
飲むか普通、、、
変態かよ、、、
キモ過ぎ、、、
口々に呟いている。
流石にカイリも限界だった。
「藤原、いい加減にしろよ!」
「元カレが、羨ましいか?イブキはな、元からスケベなオンナだったんだよ。お前がヘタレで何もしないから、イブキが俺を誘ってきたんだよ!」
二人が掴み合いになった時だった。
「藤原!」
いきなりラグビー部の犬伏先輩が教室に飛び込んできた。
「えっ、、、」
カイリを押しのけコウヘイの胸元を両手でつかみ上げた。
さすがにスゴいガタイをして両腕は丸太のように太い。
「なんだよ、、、いきなり、、、」
「てめぇ、俺のオンナに手を出したそうだな?」
コウヘイが青ざめる。
「違う、、、あれはアキナの方から誘って、、、」
「人のオンナを呼び捨てにするんじゃねえ!」
「そんなのウソだよ、、、コイツがデカいオッパイのオンナが好みだって、わたしのこと無理やり、、、」
後を追うように入ってきた女子生徒が必死に叫んでいる。
佐山アキナ。
犬伏と付き合っているのは有名だ。
背が高く顔はそこそこだが、とにかくカラダがスゴイ。
ボン、キュツ、ボンで胸は推定Hカップ。
学校一の色気ムンムン先輩だ。
「アキナがウソ言うはずがない、、、このクソガキが!」
「離せよ、このゴリラが!」
コウヘイがヒザ蹴りを入れた。
「ぐっ、、、この野郎!」
すかさず犬伏の拳がとぶ。
コウヘイは仰向けに倒れ込む。
犬伏がマウントを取って更に殴る。
「ぐふぉ、、、やめでぐれ、、、」
見ていた女子の悲鳴があがる。
カイリは後ろから犬伏を羽交い締めにした。
「離せ!」
「犬伏さん、これ以上はダメです!」
すざまじい力だったが剣道をやっているおかげで何とか押さえることが出来た。
そこへ先生達がなだれ込んできた。
「お前達、何をやってる!」
つづく
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