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早緑の峠道を走る車、漆黒のフェアレディZ S30
右へ左へドリフトを駆使し駆け抜ける一ミリの狂いもないドライビング。
このフェアレディZ S30はN〇SSANの社長と会長に貴子が直接オーダーを出して作らせた。
「フェアレディZ S30をモチーフにして魔女が乗るに相応しい車を作りなさい
外装内装はエレガントに、動力性能は魔獣のように」
過給機はいらない、DOHCの魔獣、考えられる全てにおいての新設計、全てのレアメタルも高品質で使い放題。
ドライバーに対するアシスト機構は全て排除された、ABSすら付いていない、もちろんエアバッグも無い
六速マニュアルミッション、乾式クラッチ、パワステは無い・・・そんなもの必要ない。
この車を与えられるのは魔女だから。
N〇SSANとニ〇モの全てをつぎ込んだバケモノ、【シン・フェアレディZ S30】
それが七台だけ作られた。
警察や陸運局には全て貴子が指示し正式にナンバープレートも001から007まで。
魔女達は悩んだ、何故?大排気量のアメ車しか認めない貴子様が国産車を?
全ては貴子だけが知る秘密。
秘密とは
偶然、立ち読みした”湾岸何とか”って漫画に感覚されただけの事。
・・・・・・・・・
彼女がドライビングするこの悪魔のナンバーは002。
助手席には彼女の恋人 響。
小柄で腰まで届く漆黒の髪のユニセックスな美青年。
二人の出会いは偶然にして必然。
スクランブル交差点を渡っている時、突風が魔女の髪を乱し
それを直そうとした右手の小指が、横を歩いていた響きの唇を掠めた。
魔女と響、その後の記憶が無い。
気が付けば何処かの公園のベンチに二人座っていた。
「名前を教えて」
「僕は響、貴方は?」
「夕子」
二人は会えたと・・・感じた
これが恋心なのかは二人には解らなかった、恋などした事無いのだから。
でも、目に映るこの人がこの人こそが
自分の人生に絶対に必要な人だと、それだけは二人確信していた。
だから。
夕子は全て話した、今までの性虐待・性暴力・男女も人数も関係なく玩具にされ続けた事。
そして貴子に拾われ、貴子の元で何をしていたかも。
貴子の命令である人物とセックスした事で、自分は闇から救われた事も。
響は聞きながら泣いていた。
あまりにも自分の人生とオーバーラップする夕子に。
響もポツリポツリと話し出す。
響の父親は響が小学五年の時に外に若い女を作り家を出て行った。
母は半狂乱し息子の響をおぞましい程に溺愛し、響の裸体に溺れた。
勃起しても8センチに満たないペニスを、舐め、しゃぶり、膣に迎え、強引に精通させた
そして、美しい響を、美しい少年のまま美しいペニスのままでと・・・二次性徴抑制剤を与え続けた。
響のペニスは少年のままで成長を終えた。
高校二年の時、母は交通事故であっけなくこの世を去った。
多額の慰謝料と保険、生活には困らなかった。
初めての自由、響は解放に酔った。
一つ年下の彼女も出来た、そしてそこから響の次の闇は始まった。
初めての二人だけの夜。
彼女は自分から全裸となり、そして響の衣服を脱がした。
初めて見る響のペニスに・・・・彼女は無言で服を着て部屋を出て行った。
二人目の彼女は、響のペニスを見て、笑い転げた。
暇つぶしに始めたバイト
リーダーの中年女性が何故か優しく接してくる。
響が一人暮らしと知ると、ご飯作ってあげると無理やり部屋に上がる
そして響を押し倒す、亭主に相手されなくなって15年
ずっと隠してたショタコン性癖。
響のペニスを見た女性は狂気した、全てが理想。
美しい顔に小さなペニス、騎乗位で何度も何度も失禁しながら逝った。
女性にはショタコン仲間がいた、響は女性たちに食らいつくされた。
闇が響を包んだ。
シン・フェアレディZ S30がその轟とともに、海辺のコテージに着いた。
二人部屋には入り抱擁した。
夕子は悩んだ、‘恋‘が解らない、響を愛しいと思うが・・・・。
そして貴子に全てを打ち明けた。
貴子は夕子の現場実務を全て外した。
現場実務それはそれは自身の肉体を使った業務
もう誰とも寝なくてよいと。
代わりに与えられたのは座学教師。
貴子の指示はもう一つ。
この週末、二人で貴子の所有する海辺のコテージへ行き
二日間、二人全裸で抱き合いなさいと、呆れるほどに抱き合って過ごしなさいと。
ただそれだけ。
夕子と響
お互いの服を脱がし合って、肌を重ねた
暖かい、やわらかい、ただ立って抱きしめ合っているだけなのに、心が溶ける。
夕子が溶け込んでくる、響が溶け込んでくる
二人の心をお互いの体温で溶かし合う。
キスもしていない、お互いの性器にも触れていない・・・でも
確実に近づく絶頂に戸惑う二人。
響のカウパー液が夕子の下腹部から太腿へ滴り
夕子の愛液とまぐり合う。
静かに静かに巨大な絶頂の波に呑まれる二人。
今、二人の身体を破壊するように駆け巡っているのは
『快楽』では無く『喜び』。
泣き叫びたくなる程の、喜びと安堵と安らぎに包まれ
二人床に崩れ落ち気絶する。
この週末二人は一度も性器の結合をしていない、必要なかった。
二人は貴子の「二人全裸で抱き合いなさい、呆れるほどに抱き合って過ごしなさい」この言葉をかみ締めていた。
二人は恋を通り過ぎ、真愛でお互いを包んでいた。
そして露天風呂に浸かりながら
「夕子、貴子さんてどうゆう人なんだろう?最初から全て解ってたのかな・」
「さあどうでしょう、私には貴子様の事全ては分らないわ、分かっているのは貴子様はシンの魔女、それだけ」
「一つ聞いていい?夕子を闇から救った男性って」
「気になるの?あの方は・・そう魔王・・」
「魔王?」
「貴子様が心の底から溺愛し、身も心も全てを捧げた人だから」
響は驚愕した、貴子とは一度会った事がある
その時の他を寄せ付けぬ存在感、美貌、オーラ、全てが全てが人では無かった。
「夕子は・・・その人の事・・・」
「焼いてるの?、大丈夫よ私なんかじゃ好意を持つことさえ許されないお方だから」
満天の星空の下、初めてのキスをした。
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