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「なあ貴子あれ、どうにか、なんないかな?」
「無理よ貴方。」
二人の視線の先には
四つん這いで眉間にしわを寄せ、口角を震わせ犬歯をむき出しにしている早苗。
対峙しているのは貴子が三日前に拾った仔猫。
雪のように白い染み一つない毛並みと、紺碧の瞳を輝かせる幼女猫。
視線を外した方が負ける
一瞬の閃光
仔猫の爪が早苗の鼻先を狙う、早苗の手刀が仔猫の首を狙う。
鼻先から血を滲ませ,のけ反る早苗、ニヤリと笑う仔猫
次の瞬間、早苗の顔面スレスレに飛び上がり
尻尾で早苗にビンタ、ビンタ、ビンタ!
こんな事が小一時間も続いている。
早苗ちゃんが怒っている理由は、今夜楽しもうと脱衣かごから失敬した
俺のパンツに仔猫がオシッコをひっかけたからだと。
頭からかぶって思いきりレロレロしながらオナニーしたかったのにと、涙。
ああ、仔猫の名前は‘ユキ‘真っ白だから。
ユキが貴子の膝に飛び乗る。
背伸びをして大欠伸。
で、丸くなってスヤスヤ。
「ユキ、早苗に遊んでもらってよかったわね。ゆっくりおやすみなさい。」
「そんな奴と遊んでないもん!!」
自室へ向かう早苗ちゃんとユキを見る貴子の目が微笑んでいた。
久しぶりに見る貴子の笑顔
ここ三か月、貴子はずっと落ちこんでいた。
「どうしたの?何かあったの?」と聞いた時
「ごめんなさい、今はそっとしておいて」
「必ず・・・話すから、今は抱きしめて」と、だけ
本当は背負ってる悲しみを俺にも背をわせて欲しい
でもそれは貴子のプライドが許さないのだろう
だから
俺は、貴子をそっと、包むように抱きしめた。
「アアア・・・このまま貴方に抱きしめられながら、眠りたい」
俺は、優しく密着するように抱きしめながら、貴子の背中を軽くトントンした。
眠りにつく貴子。
貴子の唇に、触れるだけのキスをして俺も眠った。
ユキが来てから貴子は少しづつ元気になっていった
ここ数か月、早苗ちゃんは夜夫婦の寝室には来ない
元気のない貴子を気遣って俺との二人だけの時間を作ってくれてる
ありがたい。
その代わり・・・かな?・・ユキが見つめる。
ベッドには決して上がらない
一人掛けの椅子に座り、俺と貴子をずっと見ている。
舌を絡ませ、お互いの乳首と性器を舐り合う姿をじっと見ている。
挿入は無い、貴子が精子を子宮で受けるのはつらいと・・・。
二人溶け合うまでの愛撫。
満たされた貴子が眠る。
俺の射精は無い。
貴子が満たされる事で俺も満たされる。
射精など必要ない。
寝顔を見つめ、貴子の体温に包まれて俺も眠る。
二人が満たされたのを確認してから、ユキも丸くなって眠る。
同じ時刻
早苗ちゃんは俺のスリッパをハムハムガシガシしながら
ユキへの復讐計画を画策しながら眠りについた。
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