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休日の午後。
「貴方、早苗、買い物行くよ」
「お姉ちゃん何買うの?」
「アンタの下着とか諸々よ」
「えぇーーボク、冬馬兄のパンツとシャツでいいよー」
「ちゃんとしたのも持ってないとダメ!!」
と、言うわけで三人でデパートへ。
女性の下着売り場に入るのは気が引けるので、俺だけしばらく別行動。
さて、どこへ行こうかと案内板を見てると気になる文字が。
そうだ、あれを買おう。
いろいろ見て回って、同じものを色違いで買った。
合流してからも色々見て回ったので結構いい時間に
夕飯は食べて帰ろうと。
「せっかくだから、雄二のレストラン行かない?」
「いいね!冬馬兄まだ行ったこと無いし」
「うん、行こう俺すごく楽しみ!」
レストランのドアを開けた瞬間、俺は目を奪われてしまった。
「いらっしゃいませ」
目の前に立つウエイトレス
雪のように白い肌、健康に満ちたスタイル、大きく切れ長の瞳と長い睫毛
小さいけどスンと通って高い鼻筋と少し薄目の唇。
少しオドオドした立姿が彼女の`美`を引き立てる
"美、純粋、可憐"この子のために有る言葉だと思う。
「あっ、貴子さん早苗ちゃんも」
「買い物に出て、遅くなったから雄二のレストランで夕食しようかと思って」
「ではお席にご案内します、で、こちらの方は?」
少し脅えた目で俺を見つめるウエイトレスさん。
「千晶ちゃんは初めてだよね、この人は冬馬、私の旦那」
「しっ、失礼しました・・・私、千晶です」
「貴方、千晶ちゃんは雄二の彼女なのよ」
「そうなんだ、俺は冬馬、よろしくね」
俺が貴子の旦那と聞かされて、安心するかと思ったが何だか様子が・・・。
案内された席に着き、メニューを見ていると
「貴姉、早苗、冬馬兄さんお久しぶり」と、雄二君が席まで来てくれた。
各界からその味を認められ若くしてオーナシェフとなった雄二君。
イタリアンレストラン界の期待の新生、何の取柄も無い俺とはえらい違い。
「もしよかったら、僕のおすすめでどう?千晶が発案したのもあるんだ」
「じゃ、それ三人分お願いね」
「OK!!貴姉」
貴子と雄二君、二人の会話の間不思議な視線を千晶ちゃんから感じていた。
夜、我が家のリビングでゆったりと三人でくつろぐ
貴子は鮮血色のワインを、俺は麦焼酎のお湯割り、早苗ちゃんは俺の右足の親指
それぞれ好きなものを味わっていた。
「あっそうだ、二人にプレゼントがあるんだ。」
「先ずは貴子から、そしてこれが早苗の」
二人に綺麗に包装された紙包みを渡す
「何々!!!開けてもいい!!」貴子が爛爛と輝いた瞳でいう。
紙包みの中から出てきたのは
皮の部分は深紫、金具の部分は光り輝く金色。
「貴子、付けてあげるからこっちへおいで」
「はい、主様」
貴子は着ている物、付けてたアクセサリーを全部外し
生まれた時の姿でそばに来た。
そして、首輪を装着する
「アアア・・・首輪から主様の心が伝わる・・・・」
「姉様・・綺麗・・・本当に本当に綺麗・・・」
ボクのボクのこの包の中はなんだろう・・
「早苗、ここへおいで」
「はい、兄様」
「包を開けなさい」
紅蓮と黄金に輝く首輪。
「ボク・・ボク・・ずっと欲しかった・・ずっと憧れてた・・
でも、貰えるのは姉様だけだと思ってた。」
「さあ、装着するからもう少し近くへ」
「は゛い゛・・」涙と鼻水でグシャグシャになった顔で返事する早苗。
「綺麗よ早苗」
「姉様ーーーーー」
「貴子、今日一つ目の褒美をあげようと思う。」
「はい、主様の思うがままに」
「早苗、目を瞑りなさい」
そっと目汚瞑る早苗
早苗は首輪を装着してもらった事で何も考えられないトランスに落ちていた。
いきなり現実に引き戻される早苗
鮮烈、鮮烈、鮮烈、目を閉じた早苗は自身の唇に違う唇を感じた。
うそ、うそ、うそ、もしかしてこれは・・・
「目を開けなさい」離れていった唇からそう聞こえ、ゆっくり目を開ける
そしてまた、近づいてくる、近づいてくる・・・冬馬の唇。
早苗は気を失いそうになる自分を奮い起こし、その時を待った。
唇が触れたその時、冬馬の舌が早苗の口の中で優しくうごめいた。
その後の事は早苗は何も覚えていない。
気が付いた早苗に貴子が笑いながら
「あの後多変だったんだから、冬馬が窒息するんじゃないかと思うぐらい
舌を絡ませ吸いついて冬馬の唾液全部こそいで飲みつくして
そのまま失神するんだもん」
優しく微笑みながら貴子「よかったね早苗」
満面の笑みの顔を涙と鼻水グシャグシャにして早苗が
「ワン!!」
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