そして、物価はどんどん上昇し、益々庶民は厳しい生活を過ごしていたが、金利も上昇したから、格差は更に広がっていた。
つまりヘルパーは、俺達の残飯無しでは、生活が出来ない。食べ盛りの子供がいるからである。彼女の子は美味しい残飯に慣れてしまったから今更不味い物を出すと、食べないのだった。
最近、妻の食材注文が上手くなって残飯が出なく成った。。ヘルパーは家で子供がゴネて大変だったのである。
「Aさん、私学習能力あるから、最近食材余らないでしょ。ウフフ。」
「はい、奥様。素晴らしいです。」
と、彼女は顔を曇らせた。
「あれ?何か元気ないわね。もしかして残飯当てにしてた?」
Aさんは、涙を流しながら、
「奥様。残飯なんて酷い。悔しいけど私達親子には貴重な食材です。」
「お前な。Aさん料理上手で助かってるに。すいません。コイツ冗談が下手くそなんだ。」
「ごめんなさい。今日で契約打ち切りましょう。こんな下品な女の家じゃ辛いでしょ。」
「そのほうがいい。人間簡単に変わらないから。また嫌な思いするよ。今迄ありがとうございました。」
ヘルパーは、真っ青になり、
「そんな。お客様から打ち切られたら、私の態度を責められてクビにされます。今ヘルパーだって中々再就職出来ないです。女は手に職がないから大変なんです。」
「そうなんだ。大変だね。でも私達は代わりはいくらでもいるからな。そんな暗い顔で仕事されてもテンション下がるからね。大丈夫かい?」
「お願いします。さっきは酷いなんて言ってすいませんでした。奥様。あはははー。奥様。私残飯待ってます。注文間違えて下さいね。」
と、彼女は作り笑いをしていた。
「そうか!ありがとう。私達還暦過ぎてるから、けっこうお風呂が大変でね。入浴介助の仕事お願い出来るかな。」
「はい!喜んで!追加ありがとうございます。」
と、Aさんはほっとしたのである。
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