プロローグ7
それからもユズルはめげることなく声をかけてきては誘ってきた。
何故かあのときの寂しげな顔が頭から離れずカレンは次第に会話を交わすようになっていった。
話してみると確かに女慣れはしているが、まるでスレた感じはしなかった。
天真爛漫で自分に自信があって子供のまま大学生になった、、、そんなふうに感じた。
無邪気に女心をくすぐってくる、、、
そして欲しいものがあれば全力で必ず手に入れる、、、
これは女性に、、、年上にもモテるはずだわ、、、
こんなに人気があるのも分かった気がした。
「カレンさん素敵な彼氏がいるのは分かってるけど、結婚するまではフリーでしょう?一度でいいからデートしようよ?」
「ダメダメ、わたしの心はフリーじゃないの、、、それにわたしは絶対に浮気はしない女だから、、、ムリ。」
「そっか、、、残念、、、」
そう言いながら悪びれることなく子供のような笑顔で見つめてくる。
この子、、、本当に憎めないわね、、、
けれどカレンは誘いを断り続けた。
わたしはハルだけ、、、
それなのにカレンはユズルの存在をハルに告げることはなかった。
ハルに余計な心配をかけることはない、、、
そう思っていた。
つづく
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