サリナはカレンにも増して若々しい。
結婚もしておらずバリバリのキャリアウーマンのせいかも知れない。
学生時代よりもやや肉付きのよくなった身体つきはオンナの妖艶な色気を醸し出していた。
結婚はしていないが男には不自由していない、そんな雰囲気を漂わせる魅力的なオンナだ。
今日もカレンに負けないその美貌とスーツを張り詰めさせる豊かな乳房が否が応でも男の視線を集めていた。
待ち合わせのカフェで席に着くなりサリナは言った。
「あなたってバカね、、、」
「わたしも、、、そう思う、、、」
うなだれ親友の顔さえ見れない、、、
「ハルに不満があったわけ?」
「ない、、、そんなのひとつも無かった、、、」
「セックスがハルじゃ満足できなくなったの、、、それともレスだったとか?」
「違う、、、満足してた、、、ハル強いし、、、レスじゃなくて、、、拒んでた、、、」
「何それ、、、どういうこと?」
「アイツにするなって、、、」
「あ~、、、最悪、、、本当にバカ、、、」
「、、、、」
「あなたね、、、ハルはカレンのことずっと信じてたんだよ、、、」
「分かってる、、、」
「いや、分かってない、、、」
「えっ、、、」
ようやくサリナの顔を見る、、、
カレンは怒りに満ちた表情をしていた。
「大学の卒業間際、、、あなたとあの男、、、噂になってたんだよ、、、」
「そう、、、だったの、、、」
「なんだか雰囲気おかしかったし、、、みんな絶対浮気してるって、、、わたしも怪しいと思ってた、、、」
絶対に知られていないと思ってた、、、
「ハルも人伝に聞いて知ったみたい、、、結婚も近かったし、わたしはカレンを問いただした方がいいと言ったわ、、、そしたら彼、、、俺はカレンを信じてる、そんなはずは無いって、、、カレンを疑うようなことはしたく無いって、、、」
わたしって、、、最低だ、、、
「それなのにしてたんだね、、、」
「ごめんなさい、、、」
「わたしに謝っても仕方がないよ、、、」
沈黙が二人を包む、、、
「で、、、どうする気?」
「ハルと別れたくない、、、」
涙が溢れる、、、
「ちょっと、、、こんなところで泣かないでよ、、、」
「ゴメン、、、」
ハンカチで拭う。
「はっきり言うよ、、、カレンのしたこと、、、大学のときも今回も、、、最低で最悪、、、自業自得、、、諦めて別れるしかない、、、」
「そう、、、だよね、、、」
「でも二人にはナツミちゃんがいる、、、」
「えっ、、、」
「聞くけど、、、ナツミちゃんは本当にハルの、、、」
「絶対にハルの子よ、、、それだけは間違いない、、、疑わないで!」
打って変わって、えらい剣幕で返してくる。
「分かった、、、信じるわ、、、とにかくDNA鑑定でそれがはっきりしたらナツミちゃんのことを全面に出すの、、、ハルはナツミちゃんのこと溺愛してるでしょう、、、そこをつけば気持ちも揺らぐかも知れない、、、」
確かに、、、それは言える、、、
娘を利用するようで気はひけるけど、、、
なにしろ緊急事態なのだ、、、
「でもそれだけじゃダメだからね、、、ちゃんと反省して心を入れ替えて、これからハルとナツミちゃんに尽くさないと、、、」
分かってる、、、
カレンは黙って頷いた。
つづく
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