ふと振り向くと階段のところにナツミがいた。
ナツミの部屋は2階にある。
「びっくりさせないで、、、まだおきていたの?」
「勉強してた、、今寝るところ、、、何かあったの?」
自分の娘ながらキレイだと思う。
パジャマを押し上げる豊かな乳房、、、大人びたカラダつきが艶かしい、、、
ナツミはもう男を知っているのだろうか?
サリナは中2の時に処女を卒業したと言ってたけど、、、
「なんでもないわ、、、ちょっとね、、、」
「ふーん、、、珍しいね、、、早く仲直りしてね、、、おやすみなさい、、、」
「うん、、、おやすみ、、、」
やはり揉めていたことには気付いているようだ、、、
しかし見られてはいなかったらしい。
よかった、、、
可愛い娘のためにもハルを納得させないと、、、
この幸せを手放したくない、、、
そのときスマホが鳴った。
ミズキからだった。
慌てて寝室に駆け込んだ。
「ミズキ、ハルに何を吹き込んだの?」
挨拶もなしに問い詰める。
「なによ、いきなり、、、」
「だから、どんなウソをついたのか聞いてるの!」
気づかないうちに口調がキツくなる。
「あら珍しいわね、カレンが取り乱すなんて、、、それにわたし、ウソはひとつも言ってないけど、、、そうか、、、ハルはまだカレンに言ってないんだ、、、」
思わせぶりな言葉に心が乱れる、、、
「早く教えて、、、」
「うーん、、、どうしようかな、、、」
こんな人に頭を下げたくはない、、、でも、、、
「お願い、、、教えて、、、」
「やっぱ、やめておくわ、、、ハルに任せることになってるから、、、」
「えっ、、、」
ハルに任せる?
「それに言わなくても、自分のしてることを胸に手を当てて良く考えて見たら分かるんじゃない、、、あっ、それと、、、もうアイツと連絡は取れないからね、、、スマホ取り上げたから、、、フフッ、、じゃあね、、、」
電話を切られた。
バレてる、、、間違いない、、、
どうしよう、、、
いや、、、でもどうして、、、
一緒に居るところを見られた?
それともホテルに入るところを、、、
いずれにせよシテいるところを見られたわけじゃない、、、
ある程度のことは認めて上手く誤魔化せばいい、、、
いざとなれば、わたし達夫婦にはナツミという存在がある。
そこをそれとなくつけばハルを言い包めることもきっと出来る、、、
なんとか凌ぐことが出来れば時間をかけて二人の関係を修復することも十分可能なはずだ、、、
この幸せを失いたくない、、、
それだけは絶対に避けなければ、、、
いつの間にかベッドで眠りに落ちていた。
いけない、もうこんな時間、、、
慌てて寝室を出る。
キッチンではナツミが朝ご飯を食べていた。
「おはようナツミ、、、」
夫は見当たらない、、、
「おはよう、、、お母さんが朝寝坊なんて珍しいね、、、お仕事、大丈夫?」
「うん、、、これ、ナツミが?」
なかなかのメニューだ、、、
「そうだよ、、、お母さんの分もあるよ、、、」
「ありがとう、、、ゴメンね、、、」
「そんなのいいよ、、、いつもお母さん、頑張ってるから、、、たまにはわたしだって、、、」
本当に良い子に育ってくれた、、、
それなのにわたしは、、、
「あの人は?」
「お父さんはもう行ったよ、、、なんだか荷物を持って、、、」
「そう、、、」
明らかに避けている、、、
かなり不味い状況だ。
「なんだか元気がなかったけど、、、それに今更みたいに体に気をつけろよって、言われ、、、ヘンな感じだった、、、」
そんなことを、、、
それに、、、荷物って、、、
その日は無理をして会社に行った。
その方が気が紛れると思って、、、
しかし、、、散々だった、、、
そして予想通りハルは帰ってこなかった。
何度連絡しても繋がることはなかった。
翌日、仕事を終え家に帰ると違和感を覚えた。
寝室や他の部屋にも何となく調べられたような形跡を感じる。
きっとハルだ、、、
慌ててタンスの奥を探る。
夫には見せられない卑猥な下着、、、それにバイブをはじめとした淫具、、、
ちゃんとあった、、、
でも、見られたかも知れない、、、
なんでそのままにして置いたの、、、
ウッカリしてた、、、
わたし、バカだ、、、
しかし、、まだ誤魔化しようはある、、、
ハルのために買って隠していたと言えば、、、
ハルはまだいるかも、、、
探しまわったが居なかった。
やはり、全部気のせいかも知れない、、、
急に思い当たりハルの私物を調べる。
衣類が無くなっている、、、他にも、、、
ハルはもう戻って来ないつもりかも知れない、、、
どんどん不安が膨らんでいく。
怖い、、、すごく怖い、、、
とにかく会って話をしないと、、、
絶対に確実な証拠は握られてはいないはずだ、、、
こんなこと、、、しなければよかった、、、
しかし、今さら遅すぎる。
ハルとの連絡は相変わらずつかない、、、
つづく
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