6.
初デートの相手が40歳も年上のオジサンなんて他人が聞いたら引くのかな?
だけど、昭二さんの事は大好きだしホントに嬉しかった。
(でも、よく考えたらこの前の時やその前に送って貰った時もデートになるのかな?)
「由香ちゃん。美術展の作品は間に合ったの?」 「うん、お陰様で。」 「じゃ、今日はそのご褒美だな。」
「褒美だなんて。」 「チョッと遠いけど、行こう。」って、新幹線の方へ連れて行かれる。
「エッ?」 「さぁ、行くよ。」って乗せられて、向かった先は東京だった。
今、高~いビルを見上げてる。
「ここは来た事ある?」 「ううん。初めて来た。」 東京には何回か来たことあるけど、六本木ヒルズは初めて来た。
昭二さんは美術部って聞いて、私をここの上にある現代アートなんかが展示されてる美術館に連れて来てくれたのだ。
(私、今日は単に街ブラデートなんだと思ってたのに、まさか東京に来て美術館に来るなんて想像もしてなかった。)
美術館を出て、東京って事もあり嬉しくなっちゃって恋人繋ぎってのをおねだりしちゃった。
そして下世話な話しだけど気になるので聞いてみる。
「昭二さん。わざわざこんな所に連れて来て貰って嬉しいんですけど、お金は… 」
「何を気にしてんの。そんな事は気にせず御祖父ちゃんだと思って甘えてくれてたらイイから。(笑) それより、もうすぐお昼だね。」
って、連れて行ってくれたのは六本木駅近くのお洒落な焼肉屋さん。メッチャ美味しかった。(嬉)
また手を繋いで歩く。「昭二さん。」 「何だい?」
「私、随分年下なんだけど昭二さんのこと「昭ちゃん♡」って呼びたい。」 「あぁ、イイよ。」
「昭ちゃん♡」 「何だい?」 「昭ちゃん♡」 「だから何だい?」 「ううん。嬉しくて呼びたかっただけ。」
「由香ちゃん。せっかく東京に来たから何処か行きたい所ってある?」 「ううん。手を繋いで歩いてるだけで楽しい。」
「渋谷とか原宿とかは?」 「全然。何度か行った事もあるけど、人が多いなぁって思ったぐらいで…(笑) 」
「じゃ、オジサンの趣味に付き合ってくれる?」 「うん。イイよ。」
って事で、前に本屋でトラックの雑誌を見てたからそういう関係かなって思ってたんだけど、やって来たのは秋葉原だった。
「昭ちゃんって、オタクなの?(驚)」 「何でだよ。違うよ。(笑)」 「じゃ、AKB?」
「何でそうなるの?俺の目的は電気屋さんだよ。(笑)」 「へぇ~、電気?」
「そう、昔から機械イジリが好きでね。何かと触りたくなっちゃうから、東京へ来ると此処へ来ては何か目新しい部品が無いかなって探すんだよ。」
「そうなんだ。私はてっきりメイドカフェにでも行くのかと… (笑)」
「隣に可愛い子が居るのに何でそんな所に行くの?(笑)」 なんて言いながら色々と電気屋さんを周る。
秋葉原の電気屋街は初めて来たけれど、電化製品も面白そうなのがイッパイあって楽しい。
昭ちゃんはメモリーの大きなUSBと、これは良さそうだなって言って何か見た事の無い変換アダプターを買っていた。
ただ、電気屋さんを移動してるとチラホラ目にするエッチなお店の看板が気になる。
(何でかって言うと、前の車での後。やっぱり昭ちゃんが初めての人になって欲しくてエッチなサイトを覗いてみたりしてたんだけど、こういったお店の映像なんかもイッパイあったからだ。)
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