3.
ケーキセットを御馳走になりながら楽しい時間は過ぎて行く。
四国や淡路島は橋が無かったのでフェリーで渡るけど、夏休みの時期とかはレジャー客が多くて1時間のフェリーに乗るのに
4時間待ちとか、阪神の震災の時はまだ携帯がそんなに普及してない時で、そちら方面を走ってた仲間との連絡が取れずに、
もうダメかなって諦めてたら何事も無かった様な顔をして丸二日目にヒョッコリ帰って来たとか、高校生の時は本当に荒れて
いた時代で、昔の映画やドラマのように学校の中をバイクが走ったり、ガラスが割られ無いように鉄格子で対策されたり、
コンプライアンスだ規制だと締め付けられてる今では考えられないような事がいっぱいあったって話してくれる。
「で、今日も時間は大丈夫なの?」 「えぇ、夕食はいつも一人だし帰っても暇潰ししてるだけですから。」
「じゃ、チョッとだけ遅くなるけど大丈夫なら良い所に連れて行ってあげるよ。どうする?」
(良い所って何処なんだろう?まさかホテルに連れ込まれるなんて事は無いよね。)
「21時頃には帰りたいんで、20時半過ぎに駐輪場へ戻れるなら… 」って事で、車に乗り移動した。
車は街はずれの田んぼの向こうにある山の中へ… どんどんどんどん登って行く。
(うわぁ、こんな人寂しい所に連れて行かれて大丈夫かな?)と思ってたら
「ここはね、昔オレの祖父ちゃんが養鶏場をしてた所で、私有地だから誰も来ないんだ。」
って、何だか怪しげな事を言われる。
そして昭二さんに「由香ちゃん。チョッと目を瞑りな。」って言われて、何をされるのかと怖かったけど、
kiss位はなんて思いながら体を強張らせて目を閉じた。車が少し動いてから止まり、私は覚悟をしていた。
「由香ちゃん。目を開けてごらん。」(エッ、何もしないの?)って思いながら目を開けてみた。
「うわぁ!凄い綺麗。」目の前には夜景が広がる。「な、良い所だろ。」 「凄いですね。此処を独り占めなんですか?」
「私有地だからね。俺なんかはもう来る事も滅多に無いけど、花火なんかも綺麗に見えるんだよ。」
「へぇ~、見てみたいな。」なんて言いながら、嬉しくってありがたくって、
何も御礼が出来ないもんだから、抱き着いて「ありがとう。♡」って頬っぺにChu!ってしちゃった。
「コラコラ、仕事で汚れたまんまのジジイにそんな事しちゃダメだよ。」
「ゴメンなさい。でも、嬉しくって何も御礼出来ないから… 」
「御礼なんて要らないの。こんなジジイの話し相手になってくれてるだけで十分なんだから。(笑)」
そして夜景を眺めながら話す。昭二さんはバツイチで息子さんは家庭が出来て独り立ちしたので、現在は独身の一人暮らしだ
って話しや私は兄が大学で一人暮らしを始めたので今は両親の帰りが遅いから一人で自由な時間が多い話しをしていた。
(私、お祖父ちゃんと歳が変わらない昭二さんにいつの間にか惹かれてたんだろうな。)
家で暇な時に興味本位でエッチなサイトを見たりなんかしてた事もあったので、
見様見マネだったけど少し話が途切れた時にもう一度抱き着いて、私から唇を重ねて初めて大人なkissってのをしちゃった。
昭二さんは最初驚いてたんだけれど、私が舌を押し込んでみると応えるように優しく返してきてくれた。
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