2.
オジサンは昭二って名前でお祖父ちゃんより少し若い57歳。
トラックの車庫から荷物を積み込む工場へ向かうのに私が通ってる道をよく通るそうだ。
で、今日は偶然にも立ち読みに寄った本屋で出会ったんだけど、私が使ってる駅よりも向こうまで帰るんで、
そこの駅まで送ってあげるよって言ってくれて甘えることになった。それで車の中でお話ししてると楽しい。
私のお祖父ちゃんはどちらかと言うとマジメであまり面白みが無いんだけど、昭二さんは何か面白い。
何だかもっとお話しを聞きたいのに駅が近付いてきちゃって、チョッと残念そうにしちゃったの。
「どうしたの?具合でも悪いのかい?」
「ううん。せっかく面白い話を聞かせて貰ってるのにもう着いちゃうのかって思って。」
「でも、ちゃんと帰らないとお父さんやお母さんが心配するよ。」
「私の家はお店をやってて親は23時とか24時にしか帰って来ないんで心配はされないんですけどね。(笑)」
「そうなの?じゃぁ、時間が大丈夫なら茶店で少しお茶でもしてから帰るかい?」
「イイんですか?(嬉)」って事で、昭二さんは私を喫茶店に連れて行ってくれた。
「… で、殴られるなんて当たり前。(笑)」って、学校で体罰なんか当たり前だった頃の話を聞いたりなんかしてた。
チョッとエッチな話しでAVの裏ってやつが出だしたのが丁度私の年齢位の頃だったとか、
カラオケボックスが出来始めの頃は貨物列車のコンテナを利用した部屋のドアに小窓があるだけで、
そこに上着でも掛けておけば中は伺い知ることの出来無い世界だったとか、
耳年増な私の興味をそそる話しなんかも面白おかしくしてくれる。
「さぁ、もうイイ時間だからそろそろ帰ろうか。」と、楽しい時間が過ぎてお店を出たのは19時半だった。
「昭二さん、ありがとうございました。あの… もしよかったらまたお話し聞かせて下さい。」
「エッ!こんなお爺ちゃんの?」 「全然、お爺ちゃんなんかじゃありません。それに、ホント私の知らない話しを聞けて楽しいですし、もっともっと聞いてみたいですもん。」 って事で、また機会があればこうやって会いたいってお願いしてLINE交換をして貰って別れた。
それから暫くは何も無かったんだけど、帰り道にまた昭二さんに追い抜かれてLINEをしてみた。
走行中だし仕事中だから直ぐに返事が来る訳でも無く、駅のホームに居る時に返事が来た。
~ 直ぐに返事出来なくてゴメンね。また追い越したんだね。後ろ姿じゃ、どれが由香ちゃんか解んないや。(^^) ~ って返って来た。
何度かやりとりしてると自分の降りる駅に着いて、自転車に乗らなきゃイケないから最後に縦読みで
「あいたいです」って文章を作って送ったんだけど気付いてはくれなかったみたい。
それでも何回かLINEをしてるウチに昭二さんは毎週金曜は週末で帰り道が混むから本屋で時間潰しをして帰るって事が解って、出会えるかなって思って私も立ち寄ってみた。
ツンツン… 「こんにちは!」 「オッ!由香ちゃん。今、帰りなのかい?」
「ハイ。」(本当は会いたくって、チョッと待ってたんだけどね。)
「よかったら、また茶店でも寄ってお話しして行くかい?」 「ハイ。♡」
って事で、また喫茶店に連れて行って貰って色々とお話しをした。
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