10.
「昭ちゃん。お願いがあるの。」 「何?」
「私、これからも昭ちゃんに愛して欲しいし抱いて欲しい… 出来れば彼氏になって欲しいの。」
「それはダメだよ。」 「何で?」
「だって、由香ちゃんはまだ彼氏が出来た事が無いんだろ。こんなジジイじゃ無くて、やっぱり年相応な相手を見付けてちゃんとした恋愛ってモノをしなくちゃ。」
「じゃ、彼氏じゃ無くてお友達でイイから… もし、彼氏が出来てそっちがイイって思ったら正直に言うから、それまでこうして抱いて欲しいの。」
「本気?」 「うん。」 「お友達は続けられるけど、こういうエッチな関係はちゃんと割り切って考えられる?」
「… でも、そうしなきゃダメなんでしょ。」 「そうだね。そこは大人にならないとね。」 「うん。解った。」
「由香ちゃんが良い相手見付けるのと、俺の元気が無くなるのと勝負かな?(笑)」 「元気って?」
「歳をとるとね、大きくならなくなっちゃうんだよ。」 「あっ、知ってる。EDってやつだ。」
「そう。俺位の歳… もうチョッと早い奴もいるかも知れないけど、この歳位で元気が無くなる人もいれば80歳でも元気って人もいるし、コレばっかりは何時そうなるか解らないから勝負だな。(笑)」
「勝負って… (笑)」
お風呂から上がりベッドでお話しなんだけど、何の御礼も出来てないからって事で昭ちゃんをマッサージ。
肩もみをしてみるとトラックで荷物の積み卸しをしてるからかガッチリしている。
「昭ちゃん、ガッチリしてて凄いね。」 「まぁ、力仕事してるからね。」今度は腰のマッサージ。
ベッドの横にマッサージ器があったのでそれを使いながらやってみると
「おぉっ!効くねぇ。ここに置いてあるやつは違う目的なんだけど、本来はこうやって使うもんなんだよな。(笑)」
「気持ちイイ?」 「あぁ、気持ちイイよ。由香ちゃんも気持ち良くなってみる?(笑)」(別の使い方の事ね。)って思って
「私はイイよ。」って答えて昭ちゃんの上に寝そべり「昭ちゃん、ありがとうね。♡」って耳元にChu!ってする。
まったりした時間は早く過ぎてしまい、4時間も滞在。そろそろ出ようかって事で部屋を後にした。
秋葉原から東京駅はすぐ近くで、夕食にと駅弁を買い込んで新幹線に乗り込む。
お弁当を食べながら、次に遠出をする時はちゃんとデートをしようねとか、
本当はスカイツリーに連れて行ってくれるつもりだったんだとか話しながら到着しちゃった。
地元の駅に向かう電車に乗り換えた時には会話が美術展にどんな作品を出したのだとか、
偶然出会ったかのように他愛もない話になっている。私が一駅先に降り、バイバイとホームで手を振り見送った。
家に戻って今日一日で東京へ行ったり初ホテルに初フ〇ラに初体験… 何か凄い一日になっちゃったなぁって振り返る。
♪キンコン ってLINEが来た。 『もう家に着いた?今日はありがとうね。楽しかったよ。♡』
『こちらこそありがとう!とっても楽しかった。お金を沢山使わせちゃってゴメンなさいでした。』
『そんな事は気にしなくてイイんだけど、今日のこと後悔して無い?それが心配でさ… 』
『後悔なんてしてないよ、その逆。今、家に帰って今日のこと振り返って、良かったなぁって思ってたの。』
『それならイイんだけど、疲れたろうからゆっくり休むんだよ。』
『ありがとう。私、今日の事は一生忘れない。おやすみなさい。♡』
※元投稿はこちら >>