翌日からカレンは以前と変わらぬように振る舞った。
分かりやすいミズキは安堵の表情を浮かべつつ、あからさまにハルにいちゃつく態度をとるようになっていった。
ハルはまだ戸惑いを感じているようだけど、、、
カレンは表面上は穏やかな笑顔でそれを受け入れていた。
今はそうするしかないから、、、
そしてハルとミズキが付き合い始めた噂はすぐに広まっていった。
ミズキは本当はずっとハルのことが好きだった。
小学校の頃から、、、
イジメにあったミズキをいつも守ってくれた。
いつも優しくミズキのことを考えていてくれる。
だから何でも相談出来た。
すぐにハルを男として意識するようになり、何度も自分の気持ちを告げようと思った。
けれどハルが自分を異性として見ているのだろうかという不安が拭いきれずに告白することが出来なかった。
今のままでもハルはわたしを大切にしてくれる。
今の二人の関係が壊れてしまうことが怖くて、それでいいじゃないかと自分を納得させてきた。
しかしカレンの決意を聞いて、急に焦りを感じてしまった。
ハルを取られてしまう、、、
カレンはわたしから見てもオンナとして魅力に溢れている。
すごくモテるのに告白されても全て断ってきた。
それにハルを見つめる瞳にひょっとしたらと考えたこともあった、、、
でもわたし達三人の関係を考えたらカレンがそんなことを行動にうつすはずがないと高をくくっていた。
だから明日告白すると言うカレンの言葉に取り乱したミズキは、今までのためらいを捨てハルの部屋を訪れていた。
ずっと胸に秘めていた想いの丈をハルに打ち明けた。
小さな頃からハルが好きだった、付き合って欲しいと、、、
ハルはミズキが自分を男として意識をしていたことに驚きを感じたようだった、、、
そして何か返事を躊躇っているように見えた。
断られるのかも知れない、、、
そんな予感がミズキに思わぬことを口にさせた、、、
「カレンもわたしのこと応援してくれるって、、、それにね、カレンも好きな人がいて、今度告白するんだって言ってたよ、、、」
胸にチクリとした良心の痛みを感じる、、、
でもまるっきりのウソじゃない、、、
勝手に自分をそう納得させる。
「そうか、、、カレンには好きな人が、いるんだな、、、」
沈んだような声でハルが呟く、、、
そしてハルはミズキの告白を受け入れてくれた。
つづく
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