しばらくしてサリナが戻ってきた。
ハル達に保健室で休んでいるから大丈夫と声をかけてきた。
「サリナ、ありがとうな、、、」
「いいえ、どういたしまして、、、」
そう言うとカレンを見つめてきた。
「カレン、勝負だね、、、」
「うん、、、わたし、負けないから、、、」
強い瞳でカレンがサリナを見つめ返す。
「二人とも、、、何のことだ?」
「なんでも無いよ、、、」
そう言ってサリナは席に戻って行った。
ニ週間ほどが過ぎてようやく落ち着いた日々が戻ってきた。
ゴリラはあの後すぐに学校を辞めた。
奥さんは夫に申し訳ないと離婚を切り出したがゴリラはそれを受け付けず、見知らぬ土地で二人やり直すことになったらしい、、、
それが良かったのか今はまだ分からない、、、
でも幸せになって欲しい。
あの男に人生を狂わされた人間はたくさんいる。
だからこそ負けないで欲しい、、、
定期試験が近いこともあり、カレンが訪ねて来てハルの部屋で二人勉強をしていた。
以前はもう一人、ミズキがいた、、、
でも、、、もういない、、、
「ハルくん、これ教えてよ、、、」
「どこだよ、、、」
カレンは若干、数学が苦手だった。
「ここ、、、」
「ああ、そこか、、、」
元々成績もトップクラスのカレンはすぐに理解した。
そのとき白のシャツブラウスのボタンが外れ、胸元が覗いているのに気付いた。
雪のような白い肌、、、
そしてクッキリと深い谷間、、、
白レースのブラカップもチラリと、、、
思わず視線が引き寄せられる。
「ハルのエッチ、、、」
カレンが胸を抱きかかえるようにして言った。
「ゴメン、つい、、、」
「ウソだよ、、、いいよ、、、ハルくんだったら、、、」
今度は胸を張って突き出してくる。
ええっ、、、いいって、、、どういうこと?
大きな胸、、、カラダ付きはほっそりしてるのにブラウスを高く突き上げている、、、
そしてカレンの顔は真っ赤だった。
「二人とも、昼ご飯よ、、、」
母の美晴の声で二人は我に返った。
父が仕事のため三人で食事をとった。
美晴は向かいのカレンの横に座り、しきりに話をしている。
あれ、、、ボタン、ちゃんとしてる、、、
あのときは暑かったのか、、、
それにしても、、、
カレンって、、、大きいよな、、、
きっとクラスでは一番、、、サリナよりも、、、
それなのにメチャ細いし、、、
モロ、タイプ過ぎる、、、
カレンを見つめてしまう。
あの唇も、、、すごく色っぽいし、、、
ダメだ、、、俺は何を考えてる、、、
カレンには好きな男がいるんだぞ、、、
俺のことは友達として尽くしてくれてるだけだ、、、
勘違いするな、、、
ハルは食事を済ませると先に部屋に戻った。
カレンは洗い物をするからと言って愉しげに美晴とキッチンへと向かった。
「カレンちゃん、ありがとうね、、、」
「そんな、、、こんなことぐらいで、、、」
「ううん、、、ハルのこと、、、おかげでようやく元気が戻ってきたみたい、、、」
「そんな、、、わたしなんか、、、」
「ここだけの話だけど、、、わたしはてっきりハルはカレンちゃんを選ぶと思ってた、、、」
「えっ、、、」
思わず美晴を見つめる。
「母親はね、、、子供には幸せになって欲しいものなの、、、あの子じゃ無理だと分かってた、、、ずっと見てきたからね、、、わたしはカレンちゃんが良かった、、、」
「でも、、、ハルくんは、、、」
「ふふっ、、、いいわね、、、若いって、、、ハルのこと、これからもお願いね?」
「ハイ!頑張ります!」
すごく嬉しかった。
お母さんの美晴さんのお墨付き。
もっとアピールしなくちゃ、、、
胸元のボタンをさっきよりもひとつ余計に外してハルの部屋に入って行った。
つづく
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