ミズキが公平と並んで歩く姿が映っていた。
時折覗き込むようにしてミズキが公平に楽しげに話しかけている。
「これ、、、どうして、、、」
「そんなことより、応えてくれ、、、これはどういうことなんだ?」
「これは、、、用事で出かけたら公平、、くんと偶然会って、、、」
「名前で呼んでるのか?いつの間に仲良くなったんだ?」
「前に学校で何回か話をして、、、少しだけだよ本当に、、、昨日だって、、、歩きながら話しただけ、、、」
誰がこんな、、、盗み撮りみたいなことを、、、
とにかく誤魔化さないと、、、
「ふーん、、、それだけで名前呼びするほど仲良くなったんだ、、、それっておかしくないか?」
「だから仲良くなんてしてない、、、信じて、、、動画なんてもういい、やめて、、、あっ、、、」
二人がラブホの前で立ち止まっていた。
ミズキの方から手をやって恋人繋ぎをしていった。
そして甘えるように頭を公平肩に預け中に入っていった。
「違うの、、、誤解しないで、、、違う、これは違うんだよ、、、」
「誤解のしようがないだろう?お前は俺との約束を断って、他の男とラブホに入った、、、何が違うんだ?」
「ふざけてただけ、、、こういうところに入ってみたいって彼が言うから、、、話すだけだからって、、、本当にそれだけだった、、、ヘンなことはしてない、、絶対に、、、それにすぐに出だし、、、信じて、、、」
ハルは冷え冷えとした目でミズキを見ていた、、、
「お前はふざけて他の男とホテルに入るオンナだったのか?」
「どうかしてたの、、、断れりきれなかった、、、もうこんなこと絶対にしない、、、でも本当に彼とは何もしてない、指一本触れさせてない、、、わたしは処女だよ、信じて、お願い、、、」
「ウソつき、、、」
「えっ?」
カレンが口を開いた。
「これはわたしが撮ったの、、、昨日ずっとあなたのこと、つけてたんだよ、、、」
「どうして、、、そんなこと、、、」
「最近のミズキがヘンだったから、、、」
「酷いじゃないの、、、こんなの卑怯だよ、、、」
「どこが?酷いのはミズキじゃないの、、、わたしは全部見てた、、、偶然会ったなんてウソ、、、待ち合わせをしてあなたは30分もアイツを待ってた、、、そして1時にホテルに入って9時まで出てこなかった、、、8時間も中にいた、、、」
「そんなこと、、、違う、、、」
「じゃあ、出てきたところも見る?」
まさか、、、アレも撮られたの、、、
「イヤだ、、、見たくない、、、」
「ダメだよ、、、見て貰う、、、」
二人が出て来て、、、キスをしていた、、、
何度も、、、まるで別れ惜しむ恋人同士のように熱く互いのカラダをまさぐり合いながら、、、
「違うの、、、わたし、、、本気じゃない、、、彼とは、、、違う、、、」
「ウソつき、、、あなたはハルを裏切った、、、何度も何度も、、、あなたはうまく騙してるつもりかも知れないけど、あなた達が逢ってるのを見かけた人は何人もいるんだから、、、」
「もういい、、、ミズキとは今限り別れる、、、」
まさか、そんな、、、
「嫌だぁ、、、ごめんなさい、、、赦してハル、違うの、本当に好きなのはハルだけ、、、公平とは別れる、もうハルしか見ない、なんでもするから、、、だからお願い、、、」
「お前が今日口にしたことは全部ウソだったよな、、、
もうミズキのこと俺は信じられない、、、これからもずっと、、、」
「ハルに嫌われたくなかったからだよ、、、全部話す、、、何もかも本当のことを言うから、、、お願い聞いて、、、」
涙を流しハルにすがってくる。
それでも躊躇をみせるハルにカレンが提案した。
「話だけでも聞いてあげたら、、、このままじゃミズキも杭が残るでしょう、、、それにわたしもまだ本当のことを知りたいから、、、」
「ありがとう、、、カレン、、、」
「でももうウソはつかないで、、、まもれないならその場で帰る。」
ハルは無言だった、、、
了承してくれたのか?
とにかく最悪の事態だけはなんとか阻止しなければ、、、
ミズキは必死になって話し始めた。
つづく
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