2.~スナック~
俺は見物人の後ろを歩きながらスナックへ…
(花火なんて歩きながらでも見れるし、今行くとゴチャゴチャする前でゆっくり飲めるんだよな。)
ガチャッ…
「いらっしゃい… あら修ちゃん。彦星さんの登場ね。」って、ママが迎える。(年に1回しか来なくて悪いね。)
「まいど、お久しぶり。」なんて言いながらカウンターに座って一人で飲む。
(BOXを予約してあるけど、花火が終わった後に主催者である友達らが打ち上げに来るので、それまでは一人飲みだ。)
暫く飲んでると花火大会が終わったのか、ボチボチと客が入ってくる。そして30分程したのかなぁ。
店も賑やかになって来たなと思ってた時に、何故か先生らのグループがやって来た。
どうやら近くのカラオケ屋に行ったけど皆も考えは同じ。部屋が満杯で何処か良い店が無いかって聞いたら、
このスナックならカラオケもあってセット料金でもイケると教えられたらしい。
けど、既にカウンターも残り2席、BOXもお客が入ってる。ママが断ろうとしたけど
(予約のBOXが空いているのに勿体ないよなぁ。仲間が来るまでにはもう少し時間があるし… )と、思って
「チョッと待って。」と声をかけて待って貰った。少しばかりママと交渉をしてから友達に連絡を入れて交渉の開始。
直ぐさま「コッチはOk!」って返事を貰った。そして女の子のグループに改めて話しをする。
「お姉ちゃん達、桜井さんとこのお客だろ。」って声をかけ直す。
「エッ、何で知ってるんですか?」
「俺も泊ってるからさ。(笑) でね、そこのBOXに後で俺の仲間で花火大会の主催してた奴らが来るんだけどね。
チョッとギュウギュウになっちゃうけどそれで良かったら座って行く?」って聞いた。
「どうしよう… 」って相談が始まる。
「若いお姉ちゃんが相席だぞ!って言ったら、オッサンは喜んでたよ。(笑)」
「エェッ!どうする?」 リーダーっぽい子を捕まえて耳打ちする。
「ここ25時迄だけど、一緒に飲んでくれるなら奢ってあげるって… 」 で、また相談が始まる。
「大丈夫かなぁ… 」って、まだ心配そうなので言ってあげた。
「大丈夫だよ。来るのは民宿の親父たちなんだから。(笑)」って事で安心してくれた様で、BOXに入ってくれた。
彼女たちは楽しい宴のスタート。俺が一人でそこへ入るのも何だから、まだカウンターで飲んでいる。
カラオケを歌ってるのが聞こえるけれど流石に若いよな、俺には付いて行けねぇ。(笑)
そうこうしてると仲間達がやって来た。(思ったより早かったけど、お姉ちゃんと飲めるっていうんで急いで来たようだ。)
俺を入れて5人のオヤジ。
「お邪魔しま~す!」ってBOXに入る。(いやいや、お邪魔って言うけど元々は俺達が予約してた席なんだぜ。)
「いえ、こちらこそスミマセン。」って挨拶してくれる。
店の女の子が一人付いてたので、最初は綺麗に5対5みたいな感じになってたんだけど、
トイレに行ったり何だかんだと時間が経つと、酒も入って気心もしれてきて上手い具合に交互に座ってる。(笑)
話を聞いてると、この女の子のグループは高校の同級生らしく、その中の一人がバイクでツーリングするのが趣味だそう。
で、1年前にたまたま通りかかって小さい海水浴場だけど綺麗な海で気に入ったので調べてみた所、
小規模な花火大会もあるって知って皆で此処へ来たそうだ。
桜井が聞く「ショボかったかも知れないけど、花火どうだった?」
「全然ショボくなんか無いですよ。あんな間近で見たの初めてで、凄い迫力でした。(嬉)」
他の奴が「そう言って貰えると、やった甲斐があるってもんだ。(笑)」って満足げに答えてる。
そうかと思えば別の奴がリーダーのお姉ちゃんと
「♪~ナツ・ナツ・ナツ・ナツ・ココナツ。愛・愛・愛・愛・アイランド~」って、
昔っから歌われてる夏のデュエットを歌っている。
先生は… 何か大人しいなと思ったらウトウトしている。
(昼はホントに海で遊んでたらしいから、疲れてるんだろうな。)
24時で出ようってことになったんだけど、お互いに盛り上がっちゃって、知らない間に話が決まっていたらしく、
もう空いてるようだから一緒にカラオケに行こうって事になってたようだ。
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