12.~生態と恥態~
今は車の中。木陰で気持ち良くなってたんだけど虫が飛んで来ちゃって…
そそくさと片付けを済ませて、一旦仕切り直しって事でクーラーを効かせた車の中に居る。
弥生は俺の上で気持ちよさそうに腰を振って「アァん。私、車の中でするのも初めてなんですぅ。♡」なんて告白をする。
(今の時代、車を持って無いなんてのも当たり前で、前の彼氏は親の車を使っていたみたい。)
予定外の所で気持ち良くなってくれて、俺もスッキリしちゃって次の目的地へと車を走らせている。
先生になって4年目。(弥生は名前の通り3月生まれで当時はまだ25歳だったな。)
子供の頃に学校の先生に憧れて、自分も先生になろうと決めてなってはみたものの、閉鎖的な世界で時間には追われるし、
社会で一般的な常識を知らない自分に落ち込んだり、好きなはずだった子供があまりにも生意気過ぎたり悪い事をした事で嫌いになりかけたりと、自暴自棄にもなってたとか言う。
メンヘラってのにはなりたく無いけど、イケない事や変態的な事、Mっ気は俺に埋めて欲しいって。
俺は最初、弥生が先生って解っててもコッチの事なんて知らない感じだったので、ワンナイトで口説ければなんて思って、
眠気覚ましに海風に当たろうと誘い出すつもりだったんだけど、
思わず「弥生先生」って言っちまったもんだから俺の素性をバラしちまったんだ。
けど、それでも来てくれて、頼ってまで来てくれるもんだから、今は出来る限りは応えてあげたいなって思っている。
これから向かうのも先生らしいなぁって思うんだけど『ナイトZOO』ってやつで、
夜行性動物の生態ってのを見てみたいらしい。(引率で昼の動物園は行くけど、子供の動きに目を配ったり、次の行程への段取りをしなくちゃならないし、少し見れても夜行性でぐったりしてるのが多いらしい。)
「弥生、「野生の王国」って知ってる?」 「エッ、何ですかそれ?」
「いや、俺も直接は知らないけど、俺の親父達が子供の頃はそういうテレビ番組があって、ただただ野生動物の生態を紹介してる番組だったらしいけど、ライオンや虎が狩りをして生きてる動物が食べられて行くシーンや珍しい動物の生態とかを観れたらしいんだ。」
「へぇ~、そんな番組があったんですね。」
「結構生々しかったらしいけど、日本の動物園じゃ見ない動物の生態なんかを知る事が出来たらしいから、今やれば良い教材になるかも知れないのにね。」
「あまりにもリアル過ぎると放送出来ないとかあるんですかね?」
「さぁね。今は何でもかんでもコンプライアンスだから、そうなのかも知れないね。」
なんて、時には真面目な会話もしてますよ。(笑)
そうこうしてると目的地の動物園に到着したんだけど、ただ真面目に動物の生態を見学させたんじゃぁ、つまんない。
「コレを付けて行こうか。」と、人目を気にしつつ玩具を挿入させる。
いわゆる「飛びっこ散歩」って言うやつも楽しもうってワケだ。
いざ、園内に入ると人気なのか人も多いし、夏休みってのもあって子供を連れた家族連れってのも見掛ける。
そんな中で弥生が餌にかぶりついてる動物に夢中な所にスイッチを入れてやると体をビクッ!と反応させる。
歩いてる時に入れてやると周りにバレないように必死で我慢するのに俺の腕にしがみついて来る。
動物の生態と弥生の恥態が同時に見れて何だか楽しいひと時だったな。
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