6.~妄想から行動(エロ無し)~
朝を迎えた。昨夜は熱い夜を過してしまったんで、お風呂で汗と汚れを流して約束の時間にレストランに向かった。
カズさんが待っていてくれて券売機にお金を入れて「どうぞ。」と言ってくれる。
食事をしながら話してると、お互いに隣県同士で意外に近い所に住んでいて電車で20分程の所に居ることや、
子供は一男一女で上が娘の一姫二太郎な事。映画鑑賞が好きな事だったりが解った。
入港までに少し時間があったので甲板のベンチで海風を感じながら聞いてみる。
「カズさん。どうして私に媚薬なんて飲ませたんですか?」
「ゴメンね。実は待合室で寝ていた時に理沙さん… 理沙ちゃんって呼んでイイ?」
「はい。」
「理沙ちゃん達が入って来て、主婦仲間って感じなんだけど、可愛い人達が同じ船に乗るんだなぁって思ってたんだよ。」
「あぁ、あの時、後ろで寝てた人。」
「そう、それが俺。でね、そんな勇気も無いのに、こんな人達とお話ししながら船旅出来たら楽しいんだろうなって思ってたんだ。そうしたら急にお友達が帰る事になっただろ。」
「あの子も旦那さんが単身赴任で、身内にああいう事があれば行かなきゃイケないですからね。」
「それで理沙ちゃんが一人旅になってしまったって事を知って、ジジィの子供じみた妄想なんだけど、チャンスがあればお話しして、あわよくばなんて思っちゃって。どうせ効き目なんて無いだろうけど近くにそういうの売ってる店があるっての知ってたんで、衝動的に買いに行ってしまったんだよ。」
「えっ、最初から持ってたんじゃ無くって急に買いに行ったんですか?」
「まぁ、使えるようなシチュエーションなんてある訳ないけど、万が一ってのでね。それで昨日晩酌をしようと部屋を出たら理沙ちゃんが一人で座ってたんで、意を決して声を掛けたんだよ。」
「でも、何故媚薬なんか?」
「まぁ、効く訳なんか無いだろうけど、悪戯心って言うのかな。イケない事をしてるんだってのは解ってるんだけど、興味ってのもあって使ってしまったんだよ。本当ゴメンね。」
「そうだったんですね。」
「嫌いになった?」
「黙ってそういう事するなんてイケない事ですし、昨日も媚薬って聞いてチョッと驚いちゃいましたけど、カズさんがそうやって正直に言ってくれて、そんなイケない事をしてまでも私をって思ってくれたことは嬉しいです。」
「許してくれる?」
「だって、媚薬のせいがあるかも知れないですけど、薬を使われたと知った時点で嫌なら部屋に戻ればイイのに、イケない事って解っていても私も女としてカズさんに男性を求めてしまったんですもの。」
等と、薬を使われた経緯やカズさんの想いなんかを知れた所でフェリーが入港して下船の時間となった。
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