2.~相席(エロ無し)~
いざ乗船が始まり、船内を散策。意外に早く散策も終わり、出航時刻になったので甲板へ出て離岸の様子を見た。
持ち込んだコンビニのお弁当(セコイ?)で夕食もあっさり終了。楽しみにしていた大浴場へ…
平日でお客さんが少なくってゆったり入り、船の揺れで浴槽のお湯が傾くのを楽しんだりして上がった。
お風呂上り、大海原を見て(もう暗いんで雰囲気だけ)晩酌でもしようかなと、ロビーにテーブル席があったので座る。
(週末なんかでお客が多いと争奪戦らしいけど、今回は座れた。)買い込んできたお酒を片手にゆったりしていると
「此処、よろしいですか?」と、50歳くらいなのかな、黒Tシャツにジャージのチョッと世良公則っぽい人が声をかけて来た。
周りを見渡すと他のテーブル席はグループとかで座ってるようだし、私は一人だったので
「どうぞ。」と、広げていたおつまみとお酒を少し寄せて空けた。
「ありがとうございます。」と、その男性は座ってビールを飲み始めた。少しすると男性が
「あの… 失礼ですけど、奥さん… あっ、奥さんでイイのかな?お一人なんですか?」 と聞いてくる。
「えぇ… 」
「実はね。待合室で待ってる時に貴女のお連れさんが急遽帰られたのを偶然見てたんですよ。」
「そうなんですか?」
「えぇ、チラッと聞こえたんですが御不幸があったとかで… 」
「そうなんですよ。こればっかりはどうしようもありませんしね。」
「そうですよね。でね僕も一人旅でして、此処へ晩酌でもしようかと来てみたら貴女が座っていらっしゃったんで、
一人旅になられたのも知ってたから、もしよろしければお話ししてみたいなって思って、お声をかけさせて貰ったんですよ。」
「ま、まぁ、私でよければお話しぐらいなら… 」って話しから始まって、私は理沙って名前でオジ様はひと回り上の55歳。
和彦って名前で周りからは「カズ」って呼ばれてる事なんかを話したりしていた。
カズさんが何でこんな平日に一人旅をしてるんだろう?ってチョッと気になって聞いてみると、
奥さんとは早くに死別をしているらしく、今は子供も手を離れ独り身との事。
今回は入社30年のご褒美に特休を貰ったんで使わないと勿体ないし、船旅が好きなのもあってゆっくり旅をしてるそうだ。
「指宿に行くんですか。イイですね。僕は20年程前に桜島であったイベントのモニュメントを見に行ったり、
焼酎が好きなんで酒蔵見学に行ったりする予定なんですよ。」と、旅の目的を話したりなんかして打ち解けていた。
するとカズさんが
「何か飲み足りないなぁ。あっ、そうだ。理沙さんは焼酎って飲めます?」って聞いてくる。
「えぇ、水割りなんかでしたら普通に飲みますよ。」
「良かった。僕、チョッと飲み足りないんで売店で焼酎買って来るんで一緒に飲みません?」
「えっ、イイんですか?」
「まぁ、一本はチョッと多いし、一緒に飲んでくれるんなら丁度イイかなって。」と言ってカズさんは焼酎と紙コップ、氷と水を仕入れて来た。
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