五年の月日が流れた。
合田の呆れ返るような行状が裁判で公になり、弁護士の説得と努力で被害に遭った女性達が証言台に立ってくれたおかげで、懲役の年数はかなり少なくて済んだ。
そして模範囚で過ごしたこともあって美晴は仮出所することが出来た。
両親が迎えに来てくれて、とりあえずは実家で暮らすことになった。
凪は会社を辞めたあと、暫くしてミユと再会した。
最愛の美晴に裏切られ心を閉ざしていた凪だったが、ミユが立ち上げた新会社に誘われ、その熱意にほだされ勤めることになった。
公私共にミユの支えもあり、凪は仕事に集中した。
会社は当たり予想を上回る成功を収め急成長をを遂げた。
ミユの時代に即した閃きと凪の堅実なフォローがその原動力となっていた。
社員もどんどん増えていった。
女性が多く、優秀な人材が集まってくる。
中には夫のDVや浮気で離婚したシングルマザーもたくさんいた。
いくら優秀でも普通の企業は二の足を踏む人材を二人は躊躇せず雇い入れた。
当然雇い入れてくれた側はやる気になって頑張ってくれる。
しかし二人は無理はさせない。
子供が、家庭を第一に考えて限られた時間で仕事に集中させる勤務体系を整えた。
それが効率化を否応なしに促進し、会社に思い描いていたよりも大きな成長を遂げさせた。
その中で凪は副社長となり、ミユにもプロポーズされた。
凪はもう人を愛せないと断った。
ミユは凪の気持ちを組んで一旦引き下がることにした。
でもいつかは凪の頑なな心をとかしてみせる、、、
それでも男と女の関係は結んでいた。
互いに時間が取れた時はそれなりのデートを重ね、カラダを重ね合った。
凪のセックスは最高だ、、、
初めて抱かれたときから、ミユに他には得難い快楽を与えてくれる。
重ねるだけカラダが更に馴染んでいくのが分かる。
公私にわたり凪は絶対に手放せない存在になっていった。
凪もミユに惹かれているのは分かっている、、、しかし過去の辛い経験とわたしの凪へのかつての裏切り行為が彼の情熱を凍らせていることも、、、
だから凪がそれが溶けてしまうことを恐れて、わたしに隠しもせずに他の女性と関係を持っているのも、、、わたしにはそれを止める資格はない、、、
それを互いに認めあった上での関係だ。
ミユがもし他に相手ができれば、関係は終わらせる、、、凪はそのつもりだ、、、
でもわたしには凪しかいない、、、
かつての部長との不倫も仕事だけのため、、、
愛していたのは凪だけ、、、
今凪が去っていったら、わたしは、、、
今は順調過ぎる会社だって、、、
凪はメチャクチャ女性にモテる。
背も高いし、顔だって整ってるのに童顔でカワイイし、すごくセクシーだ、、、
優しいし、偉ぶった態度は絶対にしない、、、
だから女子社員が多いうちの会社では人気がとにかくある。
その上、凪は独身、、、
シングルマザー達はひと目も気にせずアプローチをかけてくる。
特にあのバツイチの飛澤知恵さん、、、
28で子供はいない、、、
背は低くてムッチリしてるのにタヌキ顔ですごく可愛くて明るくて、、、それなのにメチャ色っぽい、、、女のわたしから見ても、色気ダダ漏れという感じ、、、
元夫のDVで離婚した。
以前一度、元夫が会社に乗り込んで来たとき、凪が徹底的にやり込めて二度と知恵に近づくことが出来ないようにした。
それから、あからさまに知恵は凪に好意を示すようになった。
わたし以上の巨乳に大きなヒップ、、、それなのにミツバチみたいにクビれた腰、、、
凪に話しかけながら、さり気なくその胸を押し付ける、、、
見ていてイラッとするけど、彼女は有能だ。
会社になくてはならない存在だ、、、
二人はおそらく関係を持っている、、、
一度、凪にそれとなく尋ねたが、、、
上手く話をそらされてしまった、、、
凪はそういったことは絶対に口にしない、、、
オンナのことを自慢げに話したりしない、、、
だけど間違いなくあのオンナとセックスしてる、、、
それを想像すると、、、なぜか燃える、、、
凪のセックスにあの知恵が狂ったように乱れ、オンナをさらけ出す、、、見てみたい、、、
凪に抱かれながら想像すると、いつも以上に感じてしまう、、、
もし三人でセックスしたら、、、一度でいいから凪と一緒に知恵を思いきり責めてみたい、、、
そしてわたしと凪のセックスをあのオンナに見せつけてやりたい、、、
オスとメスになった二人の卑猥なセックスを、、、
ミユはそんな密かな願望を抱くようになっていた。
美晴は荷物をまとめて行き先も告げずに家を出た。
心配しないで、落ち着いたら連絡しますと書き置きを残して、、、
美晴は決意を胸にとある場所へと向かった。
あるマンションの入口の片隅で凪の帰りを待った。
凪と逢えるまでこの場所を離れるつもりは無い。
凪が姿を見せたのは夜の9時を過ぎていた。
もう四時間もたっている。
しかし、ひとりでいることにホッと安心する。
凪は美晴にすぐに気づいたようだったが一瞬驚いた表情を浮かべたあと、ためらうことなくこちらに向かって来た。
「やっぱり、来たのか、、、」
感情のこもらない声だった、、、
しかし追い返す素振りは見せない、、、
絶対に拒絶されると覚悟してたのに、、、
それから一言も口にしない凪を追うよにして部屋に入って行った。
わたしが昔住んでいたよりも広い部屋、、、間取りも多い、、、
豪勢な中、落ち着いた調度類や家具、、、もしやと思っていた女の気配は感じられない、、、
ソファに腰を降ろした凪に視線を向ける。
あの頃よりも男臭さを増した増した整った顔立ち。
それでも童顔だった名残りは十分残っている。
体も引き締まっていて、裁判のときのような痩せた感じはもうしない、、、
それに正直に言って、たまらないほどの男の色気を感じた、、、
そんな権利は欠片も無いのに、、、
今すぐキスをして、抱かれたいと思った、、、
美晴は立ったまま尋ねた。
「どうして入れてくれたの?」
凪は美晴を見ようともしないで応えた。
「さあ、、、どうしてかな?」
「わたしが、、、怖くないの?」
そう、、、わたしは人殺しだ、、、
「別に、、、里見さんにだったら、、、俺は、、殺されてもいい、、、」
そんなこと、、、どういう意味なんだろう、、、
それに、、、里見さんか、、、
そうだよね、、、名前でなんて、もう呼んでくれない、、、分かっているに現実が胸に突き刺さる、、、
それにもうひとつ、、、
「凪くん、、、その指輪、、、婚約、、、いや、、結婚、、、」
左手の薬指、、、
「ああ、、、これは魔除けだよ、、、」
魔除け?
「俺は二度と人を好きにならない、、、もう誰も愛さない、、、」
そうか、、、凪はモテるから、、、色んなオンナが寄ってくる、、、そうだよね、、、だから、魔除け、、、
それに、、、
「わたしの、、、せいだよね、、、」
「そうだ、、、全部お前のせいだ!」
初めてわたしを見てくれた、、、
心が決まった。
こうしようと初めから勝手に思っていた。
美晴は服を脱ぎ始めた。
「何を、、、してる?」
下着姿になった、、、
真新しい純白のレースのブラとショーツ、、、
カラダは穢れてしまったけれど、、、
だからこそ、、、
体型は変わらないはずだ、、、
「服を着ろ、、、何を考えてるんだ?」
「凪の奴隷になる、、、どんなことでもする、、、何をされても文句は言わない、、、」
凪が怒った顔をしてる、、、
殴られると思った、、、放り出される、、、
「偉そうになこと言ってるけど、俺に抱かれたいだけじゃないか!」
「そうだよ!凪とセックスしたい!わたしはそれだけで生きてきた、、、ごめんなさい凪、、、わたしは最低のクズ女だよ、、、でも凪の奴隷になる、約束する、、、」
涙が溢れる、、、絶対に泣かないと決めていたのに、、、
「お前ってやつは、、、」
凪は美晴を抱きかかえた。
つづく
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