いくら洗っても穢れたカラダは元には戻らない、、、
美晴は凪に洗いざらい打ち明けて謝罪することも考えた。
でもやはりそれは怖くて出来ない。
凪をきっと失ってしまうから、、、
それだけは絶対にイヤだ、、、
そんなの、、、わたしは生きていけない、、、
後悔だけが込み上げる。
どうして、、、最後の最後であんな男を受け入れてしまったの、、、
それだけじゃない、、、わたしは自分の意思で男とのセ
ックスを愉しんだ。
憎むべき合田を悦ばせるために心にもない言葉を何度も口走った。
そして与えられた快楽と凪との生活が戻る安堵感から、こともあろうか合田のことを好きになっていた。
別れ際にもう一度求められたとき、まるで悲劇のヒロインになった気分で身も心も捧げてしまった。
今考えると身の毛もよだつ、、、
どうしてわたし、、、
自分は赦されない最低最悪のことをしてしまった、、、
その罪深さに美晴は一睡もできなかった。
凪には絶対に知られることはない、、、
合田とも二度と逢うこともないし、お互いに全てを忘れると約束もした。
合田の言う通り、何もなかったと考えればいい、、、
自分は酷いオンナだと思う、、、
それでも凪と一緒にいたい、、、
結婚したい、、、
いいお嫁さんになって凪を絶対に幸せにする、、、
過ちは二度と犯さない。
そう自分を奮い立たせた。
初めは眠れなかったこともあり、会社を休み凪の部屋で待つことも考えたが、ひとりでいると得体のしれない不安に飲み込まれそうになる、、、
だから敢えて美晴は出社することにした。
気を紛らわせるために仕事に集中する。
それでも罪悪感が時折顔を覗かせる、、、
ダメダメ、、、こんなことじゃ凪にヘンに思われる。
凪は昼には成田に着くはずだ、、、
到着したら電話をくれるかも、、、
早く声を聞きたい、、、
結局何の連絡もないまま退社時間を迎えた。
でももう戻って来てるはず、、
きっと疲れて眠ってしまったのかも知れない。
美晴は凪の部屋へと急いだ、、、
なんとなく逢うのが怖い気もするけど、それよりもやはり逢いたい、、、
逢って思いきり抱きしめられたい。
今まで一番熱いキスをして、イッパイ甘えて、、、たくさんセックスして、、、上書きされたい、、、
わたし達は大丈夫だって、安心したい、、、
合鍵で中に入る。
ひとの気配は無い、、、
まだ帰っていないのか、、、
どこか、、、会社にでも立ち寄っているのか、、、
きっとそうに違いない、、、
美晴は凪の帰りを待った。
一時間が過ぎても凪は帰宅しなかった。
もう夕方の7時を過ぎている。
いくらなんでも遅すぎる、、、
ひょっとしてわたしの部屋にいるのかも、、、
いや、、、それだったら連絡が入るはず、、、
それとも何かトラブルでもあったのか、、、
もしや事故にでも、、、
凪はわたしに少しでも早く逢いたいはずだ、、、それにわたしが待ちわびてることだって分かっているはずだ、、、
美晴は慌てて、なんとなく躊躇していた連絡を入れた。
しかし繋がることは無かった。
何度しても結果は同じ、、、
本当に凪の身に何か、、、
不安に襲われる、、、
その時になって初めて違和感を覚えた、、、
テーブルの上にノートパソコンがあった。
これはわたしが凪に以前、プレゼントしたものだ、、、
凪は悦んでくれて、いつも持ち歩いている、、、
そして出張にも持って行ったはずだ、、、
間違いない、、、
昨日の朝、凪が帰ってくることに備えて、合田と逢う前に掃除をしにきた時は確かに無かった、、、
凪は帰って来ている、、、
それなのにどうしていないの、、、
どうして、、、わたしに連絡すらくれないの、、、
胸騒ぎがする、、、
すごく、、、怖い、、、
ノートパソコンに何か意味があるような気がして電源を入れる。
一番新しいファイルは間違いなく今日の日付だ、、、
美晴は震える指先でファイルを開いた、、、
里見さん
さようなら
もう二度とあなたには逢いません
本当に好きな人とお幸せに
海原
ウソだよね、、、こんなの冗談に決まってる、、、
本当に好きな人って、、、凪に決まってるじゃない、、、
そしてファイルに映像が保存されていることに気付いた。
なんだろうこれ?
クリックして再生してみる。
明るい部屋の中、、、ベッドの上、、、
汗で滑る肌のオンナが騎乗位で男と繋がっていた。
オンナは見事な乳房を揺らし男に見せつけるように、淫らに腰を振っていた、、、
蕩けきった表情をして、、、時折、舌先を覗かせ唇を舐めながら、男を、快楽を貪っていた、、、
えっ、、、まさか、、、これって、、、
オンナはまるで男に媚びるような声をあげている、、、
「、、、、、全部見せてあげる、、、すごくスケベな本当のわたしを見せてあげる!」
わたし、、、だ、、、昨日のわたし、、、
つづく
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