あの時は傲慢な男だと思ったけれど、そんなに悪い人では無いのかも知れない。
けれども長居はいけない。
二人きりで話しているところを知り合いにでも見られたら、ヘンな誤解を招きかねない。
それが凪の耳に入って、この前のような事になったりしたら、、、
美晴は席に戻ると残っていたコーヒーを飲み干した。
しきりに他愛もない話をし続ける合田に、これから用事があるのでと告げて席を立とうとした。
そのとき、いきなり目眩がした。
足元がふらつく、、、
立ち眩みかなと思った瞬間、倒れてしまいそうになった。
そんな美晴をすかさず合田が抱き抱えてくる。
「大丈夫ですか、里見さん?」
「いや、、離して、、下さい、、、」
けれども美晴は合田の腕の中で意識が遠のいていった。
美晴は凪に抱かれていた。
ベッドの上で力強く貫かれている。
夢だと分かっていた。
凪は今日本にいない。
けれども夢の中でも凪にあまえたかった。
「ああっ、好きよ、愛しているわ、、、」
思いきりしがみつき唇を求める。
舌を絡ませ合いながら腰をくねらせる、、、
もっと凪が欲しい、、、
乳房を揉まれ乳首を吸われながら責め立てられる、、、
すごくイイッ、ずっと欲しかった、、、
そう口走りながらセックスに溺れていく。
そしてカラダの奥に男の脈動を感じたとき、美晴は背中を反らし絶頂に達していた。
「イクッ!イッちゃう!」
美晴は夢の中の凪に抱きついていった。
美晴は目を覚ました。
頭に鈍い痛みを感じる。
痛い、、、ここはどこ?
どうやらベッドの中らしいけど、、、
「ようやく目が覚めたか、、、」
合田が顔を覗き込んでくる。
えっ、、、どうして、、この人が、、、
それに、この人、裸で、イヤだ、、、
えっ、わたしも、裸!
「イヤッ!」
慌てて両腕で胸を隠そうとするが合田に押さえつけられる。
「イヤッ、見ないで!」
「もう遅い、、、たっぷり楽しませてもらったからな、、、」
ニヤけきった下品な笑みを浮かべ男が見つめてくる、、、
楽しませてもらったって、、、
下半身に滑るようなおぞましい感触を覚える。
まさか、、、
この男にわたし、、、犯されたの?
中で出されたの?
「何をしたの?」
「分かってるだろう、、、セックスだよ、、、」
やはり、、、美晴は愕然とした。
「どうして、そんなこと!」
「君の具合が急に悪くなって、部屋を取って入ったら里見さんがいきなり抱きついてきたんだよ、、、寂しいって、彼じゃ物足りない、慰めて欲しいって、、、君から誘ってきたんだ、、、」
「そんなのウソよ、、、そんなこと言うはずない、、、これはレイプよ、訴えてやる!」
「やれやれ、、、好きにしたらいい、、、でも君は俺に抱かれて何度もイッたんだ、、、証拠だってある、、、」
「証拠、、、そんなの、、、」
嫌な予感がする、、、
合田はスマホを手に取り動画を再生した。
そこには愛の言葉を囁きながら裸で合田にしがみつく美晴が映っていた。
そして両腕両脚を絡みつかせ合田の逞しい挿入を受け入れている美晴、、、
いや、、、
受け入れるどころか、、、自ら求めている、、、
あれは凪との夢じゃなかったんだ、、、
この男と、、、シテたんだ、、、
見たくないのに目を背けることができない、、、
腰を打ちつけながら合田が叫ぶ。
「美晴、イクぞ、中に出すからな!」
「来て、イッパイ出してえ!」
合田が一番奥に打ち込み吠える。
「グッ、ウグおぉお!」
シリの筋肉を引き締めブルブル震える。
この男、、、わたしの中に、、、ぶちまけてる、、、
「イクッ!イッちゃうぅ!」
思いきりしがみつき男のザーメンを中に注がれてる、、、
そして蕩けきった表情で合田に唇を求め舌を貪り合っている、、、
おぞましいと思った、、、
合田を、、、そして、、、自分も、、、
激しい嫌悪感と罪悪感が込み上げる、、、
それなのに、、、
カラダの一番奥に、、、疼くものが、、、
「イヤッ!」
スマホを払い除ける。
「分かっただろう?これのどこが無理やりなんだ?警察でもどこでも行けばいいさ、、、この画像を見てなんと言うかな?彼氏にも見て貰おうか?」
それは絶対に出来ない。
即座にそう思った。
事情を話せば凪は赦してくれるかも知れない、、、
でもこの映像を見たら、、、
以前の二人に戻ること、、、ない、、、
イヤだ、そんなこと、、、凪の心がわたしから離れていくなんて、、、
そんなことになったら、、、わたしは生きていけない、、、
絶望が美晴に襲いかかってくる。
そして耐えきれないほどの後悔が、、、
あの時、この男に会ったとき、、、すぐに席を立っていれば、、、相手にしないで帰っていれば、、、
今思えば、きっとあのコーヒーに何か薬を、、、
「この卑怯者、、、薬を飲ませたのね、、、」
「さあ、そんなこと知らないな、、、それに心配しなくてもいい、、、悪いようにはしない、、、中出ししたけど、あとピルだって持ってる、、、あとで渡してやる、、、」
そんなものまで、、、
この男、、、こんなこと、何度もしてるんだ、、、
きっと他の女にも、、、
この男は本当のクズだ、、、
そんな男にわたしは、、、
凪、、、助けて、、、
つづく
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