翌日出社した凪はミユを待っていた。
しかしなぜかミユが自分のデスクにつくことはなかった。
ミユに美晴とのことを告げなければならない。
凪はこれからの人生を美晴と共に過すと決めていた。
しかしミユは昼を過ぎても姿を現さない。
凪は仲の良い同僚に声をかけた。
「沖野さん、休みなのかな?」
「なに言って、、、あっそうか、、、海原、有休だったから知らないよな、、、実はな、大変だったんだぜ、、、」
「何か、、あったのか?」
同僚の話によるとミユは上司の部長と関係を持っていたらしい、、、
月曜日の昼間、部長の奥さんが会社に乗り込んできた。
この奥さんが社長の親族であることは、ほとんどの社員が知っている。
綺麗な女性だが、かなり気が強い。
そして騒動になった。
奥さんはヒステリックに騒ぎ立て、ミユのことを泥棒ネコと罵り、部長にもただじゃ済まさないからねとやり込めたそうだ。
部長とミユは真っ青になっていたらしい。
まるで信じることが出来なかった。
あのミユが部長と不倫を、、、
ミユは自宅待機となったが、昨日辞表を提出した。
そして部長はまだ正式決定ではないが、どうやら左遷されるらしい。
それではすまないという話もあるようだ。
ミユは俺のことを好きだと言っていた、、、
それなのに裏では部長と関係を持っていた。
しょせんミユにとっては俺なんか、単なる気まぐれだったのかも知れないな、、、
でもミユは大丈夫なのだろうか、、、
気になった凪はミユに連絡してみたが電話に出ることはなかった。
きっと俺と話すには気兼ねがあるのだろう、、、
これで良かったのかも知れないな、、、
そう自分に言い聞かせ、凪は気持ちにケリをつけた。
これからは美晴だけを愛していく。
絶対に幸せにしてあげたい。
つづく
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