凪がプロジェクトに関わるようになって南は寂しい思いを感じるようになっていた。
前もって言われていたし、分かっていたのに、、、仕事が大変で疲れていることも、、、
一緒にいられる時間も減り、分かっていたのに、それが自分に対して気持ちが薄れてしまったのではと感じるようになってしまった。
不安が募っていく中、飲み会の席で酔っていたせいもあって、ふと上司に相談してしまった。
上司は親身に話を聞いてくれた。
そしてアドバイスをしてくれた。
彼に嫉妬させればいい、、、
彼は君がそばにいることに安心しきって、魅力的な君のことを蔑ろにしている。
仕事だといいながら他の女性に目移りをして羽根を伸ばしているかも知れない。
だから、自分にも他に男がいるんじゃないかと匂わせればいい、、、
きっと彼氏は慌てるはずだ。
あらためて君の魅力に気付いて、誰にも渡したくないと戻って来るはずだ、、、
そして自分で良ければ協力する、、、
南はその誘いに乗ってしまった。
初めは食事をするだけだった。
次第に気心もゆるすようになり、手をつなぐようになった。
いけないと思いながら、雰囲気に流され唇まてゆるしてしまった。
そして飲み会の帰り、酔っていたせいもあってホテルに入ってしまった。
凪との関係をあの頃のように戻すため、、、そう考えてカラダをゆるしてしまった。
凪に済まないという気持ちはずっとあった。
でも愛しているのは凪だけ、、、
関係を続けながら、これは裏切りじゃない、、、凪の気持ちが離れていかないように浮気の真似事をしてるだけと自分を言い聞かせていた。
一度たりとも心は凪を裏切ってはいない。
凪だけを愛している、、、
だから上司と関係を持った日は、必ず凪に抱かれるようにした。
自分は凪だけのものだと確信したかったから。
話を聞いた凪は呆れ返ってしまった。
他の男に抱かれたカラダで俺に抱かれ愛情確認、、、
気持ち悪い、、、吐き気がする、、、
これって完全な浮気じゃん、、、
開いた口がふさがらない、、、
「ふ~ん、、、突拍子もない考えね、、、浮気の真似事、、、すごい言い訳、、、南さん、、、本気で言ってるの?」
美晴の凍るような追求が始まる。
「だって本当のことだから、、、凪だけを愛してるから、、、」
「じゃあ、その上司のことは好きじゃなかったの?上司とのセックスは気持ち良くなかったの?いやいやだったの?」
「それは、、、」
そんなはずはない、、、
それだったら何度も逢うはずがない、、、
それに南は感じる方だし、、、性欲もかなり強い、、、
「そもそも凪くんを嫉妬させるつもりだったら、最後までする必要なんて無いじゃない、、、」
その通り、、、
「だって、しょうが無いじゃない、、、わたしだって生身の女なんだから、、、情熱的に求められたら、、、でも軽率だった、、、本当に反省してる、、、もう二度と、、、」
本当に反省してるのか、、、こいつ開き直ってる、、、
美晴がすかさず遮るように畳み掛ける。
「軽率だったならなぜ関係を続けたの?一回だけで済ませることだって出来たじゃない、、、脅されたわけでもないし、、、そのあとも、、あなたからも誘っんじゃないの?」
「そんなこと、、、無い、、、」
分かりやすいなコイツ、、、
「南さん、、、あなた、確信犯でしょう?」
つづく
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