月曜日。
昨日、なんとか不動産会社に頼み込み、部屋を借りる事が出来た。
予算は少しオーバーしてしまったが、それなりに納得出来る物件だ。
前の住人が出たばかりということもあって清掃業者も入りピカピカだ。
しかも出ていった住人は結婚するということで、かなりの家具を残していってくれた。
不動産の担当者が良ければ使って構わないと言ってくれたので、有り難く申し出を受けることにした。
ソファにテーブルとイス、それにタンスもある。
それなりに良いものでキレイに手入れされている。
かなり大切に扱っていたのだろう。
本当に有り難かった。
昨日はホテルに泊まったが、布団一式も注文し夕方には届くことになっている。
今夜からは寝泊まり出来る。
荷物を運ぶと言ったら丁寧にワゴン車まで貸してくれた。
これは本当に幸先が良いぞ、、、
10時前に部屋に着き鍵を開ける。
懐かしい思いはもう感じない、、、
早く済ませてしまいたい、、、
だがそこには、、、いないはずの南がいた、、、
ソファに座っていた南は凪を見るなり驚いた顔をすると、いきなり立ち上がり抱きついてきた。
どうして、、、会社じゃなかったのか?
「凪、やっぱり帰って来てくれたんだね、、、わたし信じてた、、、」
何を言ってるんだ、こいつ、、、
「離れろ、、、何を考えてるんだ、お前は、、、」
無理やり引き剥がす。
「だって、、、戻ってくれるんでしょう?赦してくれたんでしょう?」
「違う、荷物を取りに来ただけだ、、、お前とは別れたはずだ、忘れたのか?」
あまりのその都合の良い考えに呆れ、嫌味を込めてし
まう。
「別れるなんて、わたし絶対に認めないから、、、」
「お前は自分のしたことがまだ分かってないのか、、、浮気をしたんだぞ、何回も、、、」
「あれは浮気じゃないんだよ、、、説明するね、、、」
「聞く気はない、、、お前との関係はもう終わってる。」
浮気じゃないって、、、何を言い出す気だ?
こいつ目つきもなんかヘンだし、、、顔色も悪い、、、
それにこんな顔してたっけ、、、
「凪くん、手伝いに来たよ!」
えっ、美晴、、、
「どうして、、、ここに、、、」
「だって荷物運ぶって言ってたでしょう?手伝ったほうが早く済むと思って、、、」
美晴はデニムのパンツにスウェットのパーカーを羽織っていた。
確かに引っ越しの手伝いという格好だ。
「場所はどうして?」
「前に教えてくれたじゃない、、、」
「そうだっけ、、、」
「それより、、、この人誰なの?」
「それは、、、この部屋の住人、、、」
「えっ、、、それじゃ、、、これが例の浮気オンナ?」
「失礼な、、、わたしは浮気なんかしてない、、、第一、あんた誰?人の部屋に勝手に入って来て、、、」
「わたしは凪くんの高校の先輩です。」
「なにそれ、、、そんなのただの他人じゃないの、、、」
「違うわ、、、凪くんは、、、わたしにとって世界一大切な人、、、」
ええっ、、、
つづく
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