ビルの二階にあるカフェ。
誘われたミユと二人で入った。
彼女に勧められたパンケーキは予想以上に美味しい。
そういえば美晴とは食べたことがなかったな、、、
美晴は好きなんだろうか?
俺はまだまだ知らないことがあったんだな、、、
そんな思いを振り払いミユを見つめる。
それにしても私服姿の彼女はひと味もふた味も違う。
自分の魅力をハッキリと自覚して、存分にそれを際立たせている、、、
メイクもファッションも、、、
小顔で整った可愛らしい顔立ち、手脚のスラリと長いモデル体型、さりげなく強調された豊かな胸、、、そして小悪魔的な性格、、、全てが完璧だ。
堕ちない男がいるはずがない、、、
でも俺は、、、
ミユがトイレで席を立った。
ガラス張りの窓際に座った凪は何気に下に見える交差点を眺めていた。
ふと見覚えのある女性に目が留まる、、、
まさか、、、こんな偶然が、、、
男と肩を並べ、にこやかに声をかけながら歩いていた、、、
美晴だった。
男はスーツ姿、30前か?遠目だがかなりのイケメンのようだ。
やっぱり、、、デートだったんだ、、、
それをこんなかたちで偶然見かけるなんて、、、
すぐに二人は人混みに紛れてしまったけれど、、、間違いない、、、
今朝のいでたちそのままだった。
戻ってきたミユがしきりに話しかけてくるが半分以上アタマに入ってこない、、、
カフェを出るとミユが腕組んできた。
「おいおい、、、」
「いいでしょう?お互いにフリーだし、、、」
「そう、、かな、、、」
そう、、、フリー、、、なんだよな、、、
「フフッ、こんなもんじゃないですから、、、今日はもっと甘えちゃうから、、覚悟して下さい、、、」
いたずらっぽく見つめてくる。
「お手柔らかにな、、、」
「ダ〜メ、、、」
更に胸を押し付けてくる。
二人は街並みを歩いた。
薬局で買い物をしたミユに付き合い外に出ると、甘い声で彼女が囁いてきた。
「先輩にわたしの作ったご飯を食べて欲しいんです、、、今から部屋に来ませんか?」
それがなんの誘いなのか、鈍感な凪にもすぐに分かった。
「うん、、、そうだな、、、ミユの手料理、、楽しみだな、、、」
さっきの件もあったし、、、
踏ん切りをつける時が来たようだ。
美晴にとって、俺はいつまでたっても、、、ただの後輩にしか過ぎない、、、
それに、、、ミユはいい子だ、、、素敵で魅力的な女性だ、、、俺にはもったいないぐらい、、、
「うれしい、、、先輩、早く行こ!」
つづく
※元投稿はこちら >>