翌日、仕事を終え、ホテルへ荷物を取りに行こうと思っているとミユに声をかけられた。
「先輩、明日休みだし、二人で飲み会しませんか?」
彼氏とはけりをつけた。
ごねられたけど、他に好きな人が出来たとハッキリと伝えた。
わたしはこれでフリーになった。
部長は別物、、、いずれ清算すると決めてるし、、、
今夜はできれば凪と最後まで、、、最低でもキス以上まではもっていきたい。
メイクだって、勝負下着もカラダのラインを強調した私服も万全だったのに、、、
「悪い、、、今日は外せない用事があるんだ。」
「そんな、、、せっかく頑張って誘ったのに、、、」
「ゴメン、、、今度埋め合わせするから、、、じゃあな、、、」
「もう、、、絶対ですよ、、、」
凪が急いで行ってしまった。
残念だけど仕方が無い、、、
それに次は誘いやすくなった。
絶対に誘惑してみせる、、、
わたしに夢中にさせてみせる、、、
想像してたよりも遥かに素晴らしいマンションだった。
メチャ綺麗で、部屋もダイニングキッチン以外に三つもある。
間取りもゆったりしてる。
凪が住ませて貰う部屋は八畳の広さだがそれ以上に感じる。
「すごいですね、、、いいんですか、本当にこんなにいい部屋に住ませて貰って、、、」
「フフッ、もちろんよ、、、昨日、あれから一応掃除しておいたから、、、」
「ありがとうございます、、、何から何まで、、、布団まで用意していただいて、、、」
「そんなにかしこまらないでよ、、、普通に話そ、、、」
「でも、、、本当にすごいですね、、、このマンション、、、」
「実は恥ずかしい話だけど、、、家賃の半分は親がだしてくれてるの、、、スネかじってる、、、」
そういえば美晴の実家はかなり裕福だと聞いたことがある。
美晴は間取りを案内してくれた。
脱衣場があり、洗濯機、、、浴室も広い。
これもまた広いダイニングキッチンは、さすがに美晴だけあってピカピカに磨かれている。
そして美晴の寝室もチラッと見せてくれた。
大き目のベッドが目に入る。
この上で美晴が恋人と、、、
過去のこととはいえ悔しさがまた込み上げる、、、
そして、、、激しく勃起する、、、
ヤバイ、鎮まれ、、、
美晴に気づかれたら、、、
ええい、、、言うことを聞けい、、、
ここは出来るだけ入らないでね。
そう言った美晴の視線が凪の下半身に止まる。
「えっ、、、」
みるみる美晴が赤くなる。
まずい、、、まるわかりだ、、、出だしからいきなりコレかよ、、、
「ゴメンなさい、、、単なる生理現象ですので、、、他意はございません、、、」
「プッ、、、それ、なに?」
美晴が吹き出した。
良かった、怒ってはいないようだ、、、
「未熟者の自分を赦して下さい、、、よく言って聞かせますので、、、」
「凪くんて、そんなに面白かったっけ、、、いいのよ、、、少し安心したし、、、」
「えっ?」
どういうこと?
「カレー作ったんだ、、、良かったら一緒に食べない?」
「やったあ、本当ですか?俺、カレー大好きなんです、、、」
「良かった、、、それじゃ早く食べようよ、、、」
うまく誤魔化された気もするけど、、、
「美味!最高です。」
「本当?すごく嬉しいんだけど、、、」
「言ったでしょう、俺は美晴さんにお世辞は言わないって、、、」
「そうだね、、、うん、、、でも、、こういうのって、何かいいね、、、」
「そうですね、、、それに俺、美晴さんの手料理初めてで、、、もう感激です、、、」
「大袈裟ね、カレーぐらいで、、、」
「カレーだからこそです、、、カレーは料理の力量がハッキリと出てしまう、、、」
「なにそれ?」
「単なる俺の持論、、、おかわりいいですか?」
「ええっ、もう食べたの?」
「だって、、美晴さんのカレー、本当に美味しすぎて、、、」
「嬉しいよ、凪くん、、、」
美晴のその笑顔が大好きだった、、、
「どういたしまして、、、」
和やかに楽しく会話が続いた。
つづく
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