楽しく食事を済ませると美晴が話を切り出した。
「凪くん、今ホテル暮らしだと言っていたよね?」
「そうですけど、、、」
「それじゃ色々と大変でしょう?お金もかかるし、、、」
「そうなんです。それで今度の休みにでも部屋を探そうと思って、、、」
「でも、今時期、そんなにいい物件なんて、なかなか見つからないんじゃない?」
「うーん、、、それはしょうが無いというか、、、それまでホテルでガマンするしか、、、」
「もったいないって、、、それだったら、部屋が決まるまで、、、その、、、わたしの部屋で、、暮らさない?」
「えっ、、、そんなこと、、、」
「もちろんそれなりの家賃は貰うわよ、、、わたしの借りてる所かなり広いんだ。部屋も余ってるし、、、それに凪くんの会社に通うのも割と便利だと思うんだけど、、、」
住所を聞くと確かにそうだ。
「でも、短い期間としても、、、俺が美晴さんと同居なんて、、、まずくないですか?」
「何言ってるの、、、凪くんとわたしだよ、、、そんなこと、、、凪くんのこと信用してるし、、、」
それは嬉しいけど、、、
要するに男として見てないということだよな、、、
複雑だな、、、それって、、、それに、、、
「あの、、、美晴さん、、、その、、一緒に住ませて貰うとして、、恋人とか大丈夫なんですか?」
「ああ、全然、、、半年前に別れたし、、、だから大丈夫だよ、、、」
彼氏がいたんだ、、、
それは美晴だったらそうだよな、、、
どうして別れたんだろう?
気になるけど、、、聞いたりしたら失礼だよな、、、
「凪くんの方こそ、、、その、どうなの?」
「どうって?」
別れたばかりだよ、俺、、、
「ほら、、、このあいだの飲み会で、話していた女の子、、、」
ずっと気になっていた。
あのやたら可愛さ全開で凪にじゃれついていた娘、、、
すごいオッパイしてて、、、谷間見せ見せで、、、
彼女と別れたばかりなのに、、、
お姉さん、絶対に赦しませんからね、、、
「ああ、ミユ、、、沖野さんのことですか?」
「ふ~ん、、、ミユって呼んでるんだ、、、」
「違いますって、、、彼女、恋人いるし、、、ただの同僚ですよ、、、」
「怪しいなぁ、、、」
「怪しくない、、全然怪しくない、、、」
「フフッ、信じてあげる、、、じゃあ問題ないわね、、この話、決まりということで、、、」
「それは、、、俺にはすごく有り難いですけど、、、本当にいいんですか?」
美晴さんと暮らせるなんて、、、
「だって凪のことだよ、、、わたしに出来ることは何でもしてあげたいから、、、」
でも、、、どうしてそんなに俺のことなんかで、、、
きっと困っている後輩を助けてあげたいという美晴の優しさなのだろう、、、
結婚まで考えていた彼女に裏切られたことに対する同情もあるかも知れない、、、
いつか絶対にお返ししよう、、、心に誓う、、、
それにしても、、、間借りとはいえ美晴と一緒に暮らせる、、、
今更ながらに胸にトキメキを覚える。
つづく
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