「なに、、、これ、、、どういうこと、、、まさか、、、」
慌てて電話する。
繋がらない、、、
バレたの?
それしか考えられない、、、
でも、どこまで?
雫は海人の家へと急いだ。
いなかった、、、
海人のお母さんに昼間血相を変えた海人が千里と逢ってくると出掛けたまま戻ってこないと告げられた。
「雫ちゃんは一緒じゃなかったの?」
その問いかけに曖昧な応えを返すと中で待つように勧められた。
それを断り外に出た。
いつも優しくしてくれる海人のお母さん、、、
それももう終わりになるかも知れない、、、
でもどうして千里と、、、
嫌な予感しかしない、、、怖い、、、
海人を失いたくない、、、
もう純平なんてどうでもいい、、、
雫は千里に電話をした。
「千里、わたし、、、」
「雫、どういうつもりなの!最低だよ!」
いきなり罵倒される。
「違う、誤解なの、、、」
「誤解って、、、あなた、今更何を言ってるの?」
「海人は今どこ?」
「言えないわ、もうあなたには逢いたくないって、、、」
もうなりふりなど構っていられない。
電話を切る。
きっと千里の所だ、、、
雫は急いだ。
家の前で二人を見つけた。
「やっぱり来たんだ、、、」
そう言うと千里は雫の前に立ち塞がった。
「海人、違うの、、、純平とはなんでもない、、、」
「純平って、、、お前、呼び捨てで、、、」
まずい、、、わたし、思わず、、、
「雫、あなた、、、今日も用事が出来たと海人を騙して滝上と逢ってたでしょう?」
「逢ってない、本当に用事が、、、」
千里がスマホを雫に見せる。
「じゃあ、これはなに?」
雫が純平と腕を組み、ホテルの入口でキスをしてる動画だった。
「これ、、、どうして、、、あなたが撮ったの?」
「海人に相談されていたの、、、最近雫がおかしいって、、、いつも出掛けてて、今日もドタキャンされたと言うから、あやしいと思ってあなたをつけたの、、、」
「酷い、そんなこと、、、」
千里を睨みつける。
「酷いって、、、あなた、こんなことしてたのに、、、どの口がそんなこと言えるのよ、、、」
カラダが震え出す、、、本当にまずい、、、
「海人、違うの、、、わたしも海人のことで滝上くんに相談してて、、、この時は二人でなんかふざけてしまって、、、キスとかも冗談だった、、、ごめんなさい、、、ホテルには入ってない、、、これ以上は本当に何もしてな
い、、、」
「全部ウソだな、、、ホテルに6時間もいたじゃないか、、、出てきた時の動画もあるんだぞ、、、」
もう、、、だめだ、、、
「そんな、、、わたし、、、ごめんなさい、本気じゃないの、、、海人、ごめんなさい、、、」
知られてしまった、、、
涙が溢れる。
いつも優しくわたしを守ってくれた。
辛いときはそばにいてくれた。
周りの皆が素敵な彼氏で幸せだねと言ってくれた。
海人の両親もすごく良くしてくれたし、うちの両親も海人のことを気に入っている、、、
その全部が崩れてしまう。
そんなこと、考えれば分かることなのに、、、
調子に乗ってた、、、
とんでもない事をしていた、、、
あの日に戻りたいよ、、、、
「もういい、、、メールしただろう、、、お終いだ、、、」
「そんなのイヤだ、、、話を聞いて、、、全部話すから、もうウソは絶対につかない、、、話を聞くだけでもいいから、お願い、、、」
雫はその場で土下座した。
もうなりふりなど構っていられない、、、
さすがに雫をそのままにして去ることは出来ない。
通りすがりの人たちが好奇の目で見つめてくる。
仕方がなく三人で近場の公園に移動して話を聞くことにした。
雫は頰を濡らしながら必死に訴えかけるように一部始終を正直に話した。
つづく
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