翌日、海人は剛志から謝罪された。
あの大きな体を縮こまらせて。
あの時、千里からア~ンされて、口にしてしまったのは千里が傷つくのを恐れたからだった。
でも断るべきだった、、、
すべて自分が悪い、本当にすまなかったと素直に頭を下げられた。
海人は剛志の謝罪を受け入れた。
一方の千里は剛志と距離を置くようになった。
口はきく程度、会話をしないわけではないが、一時期のような打ち解けた態度はなくなっていた。
そして以前よりも更に海人との関係を深め、依存するようになった。
二人で暮らしたい。
早く結婚したい。
結婚したら子供はたくさん欲しい。
海人にそっくりな男の子がいい。
二人で医者になって、頑張って病院を建てたい。
海人の腕の中で甘えながら将来の夢を語ってくる。
セックスも更に貪欲になり、益々感じやすいカラダになった。
その体型も乳房と尻は更に量感を増し、余計な肉は削げ、高校生離れした大人顔負けの妖艶なカラダになっていった。
ある日の放課後、担任に呼ばれ千里を待たせ、海人は職員室へと向かった。
話は思ったより長くなり遅くなってしまった。
教室に戻ると千里と剛志の二人しか残っていなかった。
剛志は部活の途中なのかバスケのユニフォームを着ていた。
「んっ、、、剛志もいたのか?」
「あ、ああ、、、荷物取りに来たら、千里ちゃんだけだったから物騒だなと思ってな、、、海人が来るの待ってた、、、」
「う、うん、、、浜中君が気を使ってくれてさ、、、」
「じゃあ、俺、部活に戻るわ、、、」
海人の視線を避けるように剛志が出て行った。
「剛志、悪かったな、、、」
返事もせずに行ってしまう。
「どうしたんだアイツ、、、ヘンじゃなヤツだな、、、」
「そ、そんなことないと思うけど、、、たいした話してないし、、、ねえ、帰ろう、、、」
「そうだな、、、」
二人で並んで歩く。
あの時以来、千里は確かに剛志と距離をおいているけど、、、
なにかモヤモヤする、、、
どこかトゲが刺さったような違和感を感じる。
そういえば教室に入ったとき、、、急に二人が離れたような素振りが、、、
「どうしたの海人?」
「うん?」
「さっきからずっと黙ってるから、、、」
「いや、なんでもないよ、、、」
きっと気のせいだ、、、
「それならいいけど、、、」
千里が腕を組んでくる。
「ねえ、、、わたしの部屋に寄ってく?」
「いや、今日はもう遅いから、、、送るだけにする、、、」
「そう、、、そうだね、、、」
寂しそうに見送る千里と玄関先で別れ、海人は家に帰った。
つづく
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