月曜日、学校は大騒ぎになっていた。
海人と千里は話を聞いて愕然となった。
売春容疑で純平と雫が警察に逮捕された。
授業は緊急の職員会議で全て自習。
しかし自習どころではなく、噂話が至る所で飛び交っていた。
滝上が手をつけた女性に売春をさせていたらしい。
女子高生以外にも人妻や大学生、中には中学生も、、、
その中学生から話を聞いて両親が警察に訴えた。
警察では捜査を進め、一昨日の土曜日に滝上と売春行為をおこなっていた雫を逮捕した。
俄には信じ難い話だったが、当の二人は、そして他の女子生徒も学校には来ていない。
まだ警察で事情聴取されてでもいるのだろうか、、、
学校は午後から休校となり、海人は千里と一緒に帰ることにした。
寄り道をして話をしたが気分がふさぎ込んでしまう。
以前は仲の良い三人のうちの一人だった。
しかも海人の恋人だった、、、
そんなことを考えると、これから二人で楽しくデートという気持ちにもなれない。
そんなとき、海人のスマホに日詰から連絡が入った。
少し話がしたいということで、千里の了承を得て駅前のカフェで待ち合わせをした。
日詰は一旦帰宅したらしく私服だった。
胸元を強調したニットにデニムパンツ。
小柄だが形良く見事なほどに突き出たバストと大き目のヒップが目につく。
いわゆる完璧なメリハリボディ、、、
しかし、男好きする可愛い顔立ちも、その表情はさえなかった。
初めて話をする千里と挨拶を交わし席に着いた。
イブキも滝上と付き合っていた時期がある。
もしかすると売春に関係していたかもという不安があった。
しかしイブキは売春のことは知らなかったし、関係ももちろんなかった。
ただ滝上に他の男とデートして欲しいと言われケンカになったことがある。
それが元で、すぐに別れることになった。
今考えると危ないところだったと胸を撫で下ろしていた。
雫も他の女性も、あの男に上手いこと騙されいたに違いないと同情していたが、自分も周りからヘンな目で見られるかも知れない。
何かあったら相談に乗って欲しいと頼まれた。
それからは何気ない会話を交わし、千里も次第にイブキに打ち解けていった。
けれど店を出て別れ際、イブキが何気に海人の腕を取り、その目立つ乳房を押し付けてきた。
「わたし、、、二番目でもいいからね、、、考えておいて、じゃあ、またね、、、」
にわかに機嫌が悪くなった千里が一人でズンズン先を歩いて行く。
「待てよ、千里、、、」
千里の腕を取る。
「だって、、、あの人、また胸を海人に押し付けて、、、」
「からかってるんだよ、、、でも、俺も急にだったから避けられなくて、、ゴメンな、、、」
「じゃあ、、、こっちに来て、、、」
近くの公園の人目のつかない場所に移動する。
千里がいきなり抱きついてくる。
「わたしのオッパイの方が好き?」
「好きだよ、、、全部、千里の方が好きだよ、、、俺は千里だけだから、、、」
「それなら、、、赦す、、、」
そう言うと千里は熱く海人を見つめ瞳を閉じた。
キス、、、
舌を熱く絡ませ合う。
「わたしも海人だけ、、、ずっと、、、一生だからね、、、」
千里から腕を組んできて、胸を押し付けてくる。
すごく幸せそうだ、、、
良かった、、、
その日は千里を送り、家の前で別れることにした。
上目遣いに潤んだ瞳で千里が見つめてくる。
俺だって、、、
翌日。
滝上と一年の女子生徒の退学が発表された。
雫は無期限の停学。
その差はどこからでたのか分からない。
イブキは当然だがお咎めなしだった。
再び色んな噂が飛び交い騒がしい日々が続いた。
つづく
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