その夜、雫は自分のベッドに一人横になっていた。
まだ夏休みも始まったばかり、、、
わたし、、、どうしよう、、、
こんなこと、、、海人に知られたら、、、
海人が好き、、、大好きだ、、、
中学のときから一緒で、ずっと好きだった。
高校に入って海人がメチャクチャモテ始めて焦ったけど、クリスマスのときにやっとの思いで告白して付き合うことが出来た。
優しくて背が高くて童顔だけどカッコいい。
頭もトップクラスの成績だ。
男子にも人望があり自慢の彼氏、、、
それなのに、、、わたしは、、、
まだキスまでしかしていなかったけど、今年の夏は海人と初めての経験をする予感がしていた。
海人もきっとそのつもりだと思っていた。
わたしは見た目と違ってエッチな女だ。
いつもセックスのことを想像して毎日のようにオナニーに耽るイヤらしいオンナ、、、
恋人なのにまだキスしかしていない関係に不満だった、、、
だから海人と早くそうなりたいとずっと思ってた。
それなのに、、、
今朝、滝上純平に駅で偶然出くわした。
純平は180を超す長身。
同じ2年生でバスケ部のエース。
優し気な顔立ちの海人とは正反対の男っぽいイケメンで学校の有名人。
もちろん女子生徒にはすごく人気がある。
しかし、、、悪い噂もある、、、
雫はその真意を知らない。
モテ過ぎると、それをやっかむ人達もいるかも知れない。
それぐらいの認識しかなかった。
けれどクラスも違うのに何故か純平は雫のことを知っていた。
そのうえ、少しファミレスで話さないかと誘われた。
話すぐらいならという安易な気持ちがあった。
それに学校一のイケメンが自分のことを知ってくれているという歓びが心のどこかにあった。
つづく
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