「あら?なんか元気ないわね。」
僕らがゴルフの間、義母が妻を訪ねて来たのである。
「なんか私まるで検査薬と変わらないな。って、ふと思ったのよ。」
N家(妻の実家)は、男が産まれず、妻が、一人っ子だ。
義父は、婿選びに娘を利用し、OKが出たら社交デビューさせ、大先生達に褒められたら結婚させる、という考えだった。だから僕らは、まだ籍を入れていないし、もちろん式も挙げていなかった。
「あなた、S君に完全に惚れたのね。だから寂しいのね。大丈夫よ。私の感だけどきっと合格するわよ。ヤダ、なんか子供の受験みたいね。」
と、義母が言ったら、
妻は少し笑ったのである。
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