カナミは嗚咽を漏らし泣き始めた。
「わたしからもお願い、、、こんなに後悔してるんだよ、、、もう一度だけ、チャンスをあげて、、、」
「もうチャンスはやった、、、二度目はない、、、」
「こんなに頼んでるのに、、、それでも男なの?ドンと構えて受け入れてあげなさいよ、、、わたしの幼馴染みのくせに、、、小さい男だね、情けない、、、まったく、、、」
まるで俺を責め立てるようにミサキが告げる。
睨むような目つき、、、
俺に非があるとでも言わんばかりに、、、
「お前、、、それ、、、本気で言ってるのか?」
「えっ、、、もちろん、、だけど、、、」
まさか、、、こんなこと言うヤツだとは思ってもいなかった、、、
ミサキはもっと常識を踏まえた考え方をする人間だと思ってた、、、
「分かった、、、ミサキのこと、俺は信じてたし、大切な幼馴染みだと思ってた、、、でも違っていたみたいだな、、、お前ともこれまでだ、、、二人とも帰ってくれ、、、もうこれからは赤の他人だ、、、二人ともやりたいようにやれ、、、好き勝手に生きればいい、、、俺はもう関係ない、、、」
ウソ、、、でしょう?
こんなの、、、わたしの知ってる優しいハルキじゃない、、、
いつものハルキと違う、、、
冷え切ったさめた表情、、、
こんな目で見られたことは一度もなかった、、、
ずっと大切な幼馴染みだった、、、
困ったときはいつも助けてくれた。
それなのに、、、
今回の件にはわたしにも引け目がある、、、
だからムキになって、、、ハルキをやり込めるようにしてしまった、、、
一気に後悔が込み上げる、、、
そうだよ、、、一番辛い思いをしてるのはハルキなのに、、、わたしは知られたくない事情をごまかすために、、、全部ハルキに押し付けて、、、
「わたし、、、ごめんなさい、ハルキ、、、」
「もう遅い、、、二人とも二度と顔を見たくない、出ていけ!」
すがるような目で見つめてくる二人を部屋から叩き出す。
余りの剣幕に二人はすごすごと引き下がり帰って行ったようだ。
しばらくして母がやってきた。
二人の様子を見て心配になったのだろう。
「どうしたの?カナミちゃん、泣いていたみたいだけど、、、ミサキもひどく落ち込んでたみたいだし、、、」
ハルキは全てを母に告げた。
後で母に仲を取り持ってもらう気にでもなられたら厄介なことになる。
「ふーん、、、カナミちゃんって、そんな子だったんだ、、、わたしはハルキの判断は正しいと思う、、、本当に自分のシタことに後悔してるなら、間違ってもそんなことはしないはず、、、あの子はきっとまた浮気を繰り返す、、、残念だけど、そういう女性は確かにいるの、、、」
「信じてたのに、、、俺に見る目が無かったということだよな、、、」
「そうだね、、、でも仕方がないよ、、、ハルキはまだ若いんだし、、、でもミサキちゃん、、、何かへんだね、、、」
確かにそう思う、、、
曲がったことが嫌いなミサキが、いくら親友だからといって、カナミのことを庇い過ぎている。
何かあるんだろうか、、、
どうしてもミサキの取った態度に納得出来ない、、、
カナミに対してはそれでいいと思うけど、ミサキとはもう一度話してみたらと母に言われたが、、、今はその気にはなれなかった、、、
つづく
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