その日、ダイキは急にミズキの家を訪れた。
夕方8時を過ぎていたがミズキの両親はこころよく迎い入れてくれた。
ダイキは同じ会社に勤めている佐山レナを伴っていた。
ミズキとは中学校時代からの親友で、元はと言えばレナの紹介で交際を始めた経緯がある。
今回も結婚式の司会をすることになっていた。
小柄で明るい性格。
少しぽっちゃりはしているが女性らしい身体つきで可愛いらしい顔立ち。
人見知りのない性格で男女構わず社員のあいだでは人気がある。
そんなレナも今は、普段の朗らかさは影を潜め、沈んだ表情を浮かべていた。
朝からミズキは出かけているということで、二人はリビングに通され帰りを待つことにした。
ダイキはミズキが今、どこで何をしているのかを知っていた。
全て報告が入ってきている。
今日はどんな用事なの?
そう問いかけるミズキの両親にダイキはおもむろに話を始めた。
告げられた事実に両親は驚愕した。
信じられないと詰め寄る二人に、ダイキは証拠の写真と報告書を見せた。
10時過ぎにミズキは帰って来た。
「ただいま、、、」
リビングへと入ってくる。
「えっ?どうしたの?ダイキとレナが二人揃って、、、」
こんな時間に、、、ミズキは怪訝そうな表情を浮かべる。
「大事な話があるんだ、、、」
「それなら、連絡してよ、、、早く帰ったのに、、、、待たせてゴメンね、、、ひょっとして、結婚式のこと?」
「いいから座りなさい、、、」
父親のヨシヒロがおもむろに口をひらいた。
ただならぬ雰囲気を感じ取り、ミズキは言葉に従う。
「ミズキ、、、こんな時間まで、何をしていたんだ?」
「えっ、、、なんなの藪から棒に、、、」
「いいから、答えなさい、、、」
「もう、、、朝から用事があって、、、帰りがけに家電を見てたら、偶然ケントにあったの、、、久しぶりだったから、話込んじゃって、、、カフェでずっとオシャベリしてた、、、遅なってゴメンなさい、、、」
つづく
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