コユキは意を決してダイキと接触をはかることににした。
とにかくダイキに逢いたいことと、自分に対してどんな態度で接してくるのかを確認したかった。
今ダイキはあるハンバーガー店にいる。
週に何度かこの店に訪れることは興信所の報告書にもあった。
今日は幸いなことに一人で来ている。
トレイに注文したバーガーとドリンクを乗せ、ダイキのテーブルへと向かう。
すごく怖い、、、
しかしダイキに近づくにつれ、ハンパないぐらい胸がドキドキする、、、
なぜかこれからダイキに抱かれに行くような錯覚におちる。
「ここ、、、いいですか?」
混んでもいないのに相席を申し出る。
ダイキが顔を向ける。
一瞬、驚いた表情、、、
でもすぐに落ちつきを取り戻す。
「他にも席はありますよ、、、でも、、まあ、いいですよ、、、」
ホッとして向かいに座る。
良かった、、、少なくとも拒まれなかった、、、
それだけでも涙ぐみそうだ、、、
「偶然、、、じゃないよな?」
「そう、、、偶然じゃない、、、」
「あのとき、、、街で見かけたとき、、、こんな予感がしていたよ、、、」
やはり気づいていたんだ、、、
「元気だった?」
「まあ、、そうだな、、、コユキは?」
名前で呼んでくれた、、、
「ダイキに逢えたから、今は元気だよ、、、」
「そっか、、、冗談として聞いておくよ、、、」
「ダイキ、、、わたし、結婚、、、したんだ、、、」
「そうか、、、良かったな、おめでとう、、、」
素っ気ない言葉、、、
ほんの少しでもいいから動揺して欲しかった、、、
「ダイキは、、、まだ?」
分かっていながら聞いてしまう、、、
「ああ、、、俺も三ヶ月後にするよ、、、」
初めてダイキが微笑む、、、
悔しい、、、イヤだよ、、、
「どんな人?」
「普通の女性だよ、、、」
ウソつき、、、すごくキレイな人じゃない、、、
わたしなんか足元にも及ばないくらい、、、
お嬢様で清純で、、、
でもダイキに抱かれて、、、激しく乱れて、、、愛を囁き合って、、、
わたしだって、、、ダイキに抱かれたいよ、、、
愛してくれなくてもいいから、、、
ダイキとセックスしたいんだよ、、、
「お前、、、結婚してるのに、、、そのネックレス、いいのか?」
「これは、、、わたしのいのちだから、、、何よりも大切なものだから、、、」
「ふーん、、、あのときは違うこと言ってたけどな、、、もうそんなもの捨てろよ、、、」
胸が痛い、、、ダイキはまだ忘れてない、、、
「イヤだ、、、絶対に、、、」
「コユキはウソつきだからな、、、俺は信じない、、、」
「もうウソはつかないよ、絶対に、、、」
「もういいよ、、、ところで子供は?」
「まだ、、、だよ、、、」
「そうか、、、コユキ、幸せになれよ、、、いいお母さんになれ、、、もう逢うこともない、、、さようなら、、、」
ダイキは席を立って行ってしまった。
バカだねわたし、、、
こうなることなんて分かってた、、、
それなのに、、、友達ぐらいになら戻れるかもなんて、少し思ってた、、、
ダイキ好みの服を着て、下着も新調して、、、わざとらしく胸を強調して、、、
今夜、少しでもチャンスがあればダイキとセックスするつもりでいた。
人妻だというのに、、、
ダイキの顔を見つめ、その唇やそして、かつてはわたしのカラダの隅々まで知り尽くした指先にカラダを疼かせていた。
愚かなわたし、、、
でも愚か者だからこそ、わたしは諦めない、、、
そうだね、、、いい母親になってみせる、、、
ダイキの赤ちゃんを生んでみせる、、、
涙がこぼれる、、、
そんなことはありえない、、、
夢のまた夢、、、
ダイキは一生わたしを赦してくれない、、、
でも、それは当たり前のことだ、、、
つづく
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