孫が出来ることを心待ちにしている両親をも欺いて、、、
でもそんな母も突然の交通事故でこの世を去ってしまった。
また大切な人がいなくなってしまった。
ダイキが去ってしまったあとも、いつも心の支えになってくれた。
母親の愛情で包んでくれた。
わたしがしでかしてしまった過ちを責めるのではなく、真摯に諭してくれた。
コユキは深い悲しみにくれた。
とある休日、母を亡くしてから、めっきり元気をなく
している父を訪ねた帰り道。
街のスクランブル交差点で、思いもかけない人物に遭遇した。
忘れもしない最愛の人、、、
ひと目でダイキだと気づいた。
かわらない整った顔立ちには男らしさが増していた。体型にも以前よりも逞しさを感じる。
そしてあいも変わらずオトコの色気を感じてしまう、、、
一瞬にしてコユキのオンナが疼く、、、
そんなダイキの横には女性がいた。
甘えるような瞳でダイキを見つめている。
腕を絡めて上品な笑みを浮かべ、幸せそうにダイキにしきりに話しかけている。
奥さんなのか?それとも恋人なのか?
すごくキレイな人、、、
わたしなんか比べものにならない、、、
日本人形を思わせるほどに整った顔立ち、、、
派手さはないが上品さを溢れるほどに感じさせる。
肩まで伸びた髪は艷やかな黒髪で、ナチュラルなウェ
ーブがかかっている。
背は高く170はありそうだ。
手脚もスラリと長く、まさしくモデル体型、、、
いかにも高級そうなファッションを身に着け、お嬢様の雰囲気が漂う女性だった。
ダイキの視線が一瞬、コユキに留まった。
だが表情に変わりはない。
すぐに視線を逸らし女性と話を始める。
交差点をすれ違う、、、
コユキはずっとダイキを見ていた。
ダイキは何事も無かったかのように行ってしまう。
声をかけることも出来なかった。
わたしに気づかなかった?
いいや、絶対に分かっていたはずだ、、、
それなのに敢えて無視をした、、、
ダイキにとってはそんな存在なのだろう、、、
思い出したくもない、、、それこそ黒歴史、、、
分かっていることなのに、、、気持ちが沈み込む、、、
専業主婦のコユキはダイキのことを1日中考えるようになっていた。
やはり逢いたい、、、
どんなに嫌われているとしても、、、
そう、わたしはダイキがいれば何もいらない、、、
それが報われないと分かっていても、、、
コユキはすかさず行動を起こした。
先ずは興信所を使ってダイキの居所と現状を探り出すことにした。
呆気ないほど簡単に調べはついた。
ダイキは大学の先輩にあたる人物が起業したイベント会社に勤めていた。
かなりの成功をおさめているらしく会社は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている。
ダイキは先輩である社長の信頼も厚く、重要なポストに着いていた。
かなり条件のいいマンションに一人住まいだが、婚約者がいる。
きっとあの女だ、、、
コユキはとりあえず、婚約者のことを更に詳しく調査
するよう依頼した。
どんな女性なのか、、、とにかく詳しく知りたい、、、
つづく
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