コユキが学校から帰って来た。
話があるからと部屋へ行き、ベッドに並んで腰を下ろす。
「話ってなに?」
ただならぬ雰囲気にコユキの表情は強ばっていた。
「今日ね、、、ダイキ君が家にきたの、、、」
ウソをつく、、、本当のことなど言えるはずもない、、、
「どうして、、、どうして、すぐに連絡してくれなかったの!?」
「彼はすぐに帰ったわ、、、わたしに、これを渡して、、、」
USBメモリを目の前に置く。
「これ、、、なんなの?」
「あなたと、、、あの男が映っているの、、、あなたは朝倉に盗み撮りされていたの、、、」
コユキの血の気が失せる。
「そ、そんな、、、わたし、そんなの知らなかった、、、でも、ダイキがどうしてそれを、、、」
ユキナは経緯を話した。
コユキはただ呆然と話を聞いていた。
「ダイキ君はあなたを護ってくれたのよ、、、あなたのために体を張って、、、」
「じゃあ、、、あのとき、、アイツが怪我したのも、、、ダイキが、、、わたしのために、、、」
知らなかった、、、
朝倉はいずれ、わたしを脅して、ジュリみたいなこと
をさせるつもりだったのかも知れない、、、
「こんなもの、、、表沙汰になっていたら、、、それをダイキ君は救ってくれた、、、自分のことは顧みずに、、、」
「ジュリみたいにならないように、、、ダイキが、わたしを助けてくれた、、、」
涙を流しているコユキをユキナが抱き寄せる。
「でもねコユキ、、、ダイキ君は見てしまったの、、、全部知ってしまった、、、あなたの、、、していたこと、、、」
ピクンとコユキが震える。
「そんな、、、」
コユキの表情が恐怖に慄く。
「わたしも、、、見たわ、、、」
「どうして!」
突き刺すようにコユキが言う。
「母親だからよ、、、娘の未来のために見なければならないの、、、わたしもコユキと一緒に罪を背負う、、、二人で強くならないといけないの、、、コユキには幸せになって欲しいから、、、、」
「でも、、、ダイキに、、、見られた、、、わたし、どうしたら、、、いやだ、、、わたし、汚れてる、、、いやだよ、ダイキがそれを、、、ごめんなさい、、、ダイキ、ごめんなさい、、、」
コユキは子供のように泣きじゃくる。
ユキナは強くコユキを抱きしめた。
「ダイキ君はあなたを責めたりしなかったわ、、、一言だって、、、」
「でも、、、もう逢いたくないんだよね、、、こんなわたしになんか、、、だから会わずに帰ったんだよね、、、」
ユキナは答えなかった。
つづく
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