二人は密会を重ねた。
待ち合わせをして、少し離れて歩く。
地元ではないけれど、やはり人目は気にしないと、、、
ホテルに入り、二人きりのエレベーターでダイキに身を寄せ腕をとる。
部屋に入るといつもガマンが出来ずに抱きついてしまう。
濡れた瞳でダイキを熱く見る。
「ダイキ、すごく逢いたかった、、、」
「俺も、、、」
すごく嬉しい、、、
熱い口づけ、、、激しく舌を絡め合う、、、
赦されないことだと分かってる。
でも彼が好き、、、
前とは違う、、、
本当の恋、、、最後の恋、、、
1日中ダイキのことを考えている、、、
ダイキの瞳、唇、若い逞しいカラダ、、、そしてセックス、、、
全部わたしのもの、、、
ダイキの前ではいつも最高のオンナでいたい、、、
今日だってダイキのために買った下着を身に着けてる。
禁断の関係が更にユキナを燃え上がらせる。
身も心も捧げる情事にユキナは溺れた。
「ユキナさん、、、もう終わりにしよう、、、」
服を身に着けるユキナの身体が固まる。
ずっと分かっていた、、、
続けていたら、破滅がやってくると、、、
「そうだね、、、そうしようか、、、」
何気ないフリをしてそう応える、、、
大人の余裕を見せないと、、、
ダイキをこれ以上苦しめたくない、、、
でもダイキが好き、、、大好きなんだよ、、、
本当はすがりついて、イヤだと言いたい、、、わたしを捨てないでと、、、
ユキナはそれをグッとこらえる。
「分かってる、、、それが一番だって、、、」
ダイキは辛そうだった、、、すごく、、、
そんな顔しないで、、、わたしだって、痩せ我慢してるんだよ、、、
ダイキはユキナにUSBメモリを渡した。
「これ、、、何?」
ダイキは朝倉とのやり取りをすべてユキナに打ち明けた。
撮影されていたコユキの情事のデータは、全てその時削除させ、あとはこのUSBに残されてるだけ、、、
これをどうするかはユキナに任せる。
コユキがこれから幸せになるように使って欲しい、、、
そう託された。
やはりこんなものがあったんだ、、、
コユキはまるで気づいてないようだったけど、ユキナはずっと危ぶんでいた。
ダイキは体を張ってコユキを守ってくれたんだね、、、
「分かった、、、ダイキ君、本当にありがとう、、、それとごめんなさい、、、でもわたし、すごく幸せだったよ、、、二人のことはお互い墓場まで持っていこうね、、、ううん、ダイキ君はもう何も言わなくていいの、、、後は任せて、、、」
二人は別れを告げた、、、
ユキナは母親に戻る。
やらなければならないことがある。
翌日、ユキナは映像を見ることにした。
コユキの未来のために、、、
避けることは出来ない、、、
だから見なければならない。
コユキはまだ若い、、、
たとえ一番の幸せを逃したとしても、二番目の幸せは掴んで欲しい、、、
それには母親の自分が逃げたりせずに、しっかりと現実を見つめること、、、
そして正しい道をを見つけてコユキの幸せの手伝いをすること、、、
ひどい映像だった、、、
そこには、まるでユキナの知らない娘がいた、、、
目を背けたくなるような娘の行為、、、
けれど耐えきれない気持ちを抑えて全てを見た、、、
あのクズ男にコユキが受けた、惨たらしい仕打ち、、、愛情の欠片も感じられないセックス、、、ただのえげつない交尾そのものだった。
そして、、、それを嬉々として受け入れ、オンナをむき出しにして溺れる娘の姿、、、
まだ高校一年だったんだよ、、、
あんな汚らわしい言葉まで教え込まれて、、、
酷すぎる、、、見てるだけで、辛くて、すごく悲しくて、嗚咽が漏れる。
わたしもそうだった、、、
過去の過ちが頭を過る、、、
ダイキはこんなものを見てしまったんだね、、、
あの頑なな拒絶がようやく理解が出来る、、、
恋人を守るために身体を張って手に入れたものにこんなものが映っていたなんて、、、
愛する人のカラダと心の裏切りを見せつけられたのだから、、、
娘が帰って来たら話さなければならない、、、
それが母親の自分の役目だから、、、
つづく
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