②全裸の少女たち
驚くことに全裸の少女たち。特に恥ずかしがることもなく、新参者の私に対して、丁寧な対応をとってくれる。生徒は現在15名。この学校では特に卒業時期を決めているわけではないが、現在はこの学校に来て半年から2年半程度の生徒たちばかりである。食後に15分ほどの時間があったので、インタビューの許可も出ていたので5人ほどの生徒たちにインタビューした。
*七海(普通の学校だったら高1)。私はいじめが原因で小6の頃から学校に行けず引きこもっていたので、ここに入れられました。今は毎日とても楽しいです。
*明里(高2の途中で転入)。私は他の子への暴行を理由に転校させられました。ここに来て、いじめられていたこの気持ちがわかり落ち着きました。最初は裸でいることが不思議で仕方なかったです。
*あかね(最年長18歳)。私は盗みに関する犯罪癖がひどく、少年院出所後ここに来ました。ここは先生方が親身になって指導してくれたおかげで今までのことを素直に反省することができました。
*洋子(普通の学校だったら高1)。私はずっといじめにあってきて何度も命を絶つことを考えていました。この学校に来てから生きることの素晴らしさを学んだ気がします。
*実久(最年長18歳・生徒代表・校長の娘)。私は高校に進学する時点でこの学校を選びました。いろんな問題を抱えている子たちとの触れ合いができて良かったと思います。
インタビューが終わるとすぐに授業が始まった。基本的には小学校の範囲から認定試験が受けられるレベルまで幅広く授業が行われるのであるが、全員真剣に授業に聞き入っている姿がそこにはあった。生徒全員が全裸であること以外は。
午前中は授業が行われ、昼食後から午後3時までは芸術や体育などそれぞれの申告で創作活動を行うことになっている。そんな中、実久が校舎内の案内をしてくれた。彼女は校長の娘ではあるが、学校内ではきちんと「校長」と父親のことを呼んでいるそうだが、生徒代表として校長室で二人きりになると「お父さん」と呼んでしまうと言っていた。
途中で体育館を案内してもらった時のことである。館内にはたくさんの絵が展示されていたが、テーマは全て「女体」であった。「お父さん、女体が好きなんですよ、私には兄もいるんですけど兄よりも私ばかり可愛がってくれましたから」と言っていた。少し含みのある言い方だった答えはこの後校長にインタビューをするときにはっきりするのであった。
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