ユウトはナナミとリクから距離を置くことにした。
マキにもそうするように告げるつもりだったが、思いとどまった。
以前ほどナナミとは連絡を取っていないようだし、リクとは直接接点はないはずだ。
変に意識をさせる必要は無いと考えた。
ナナミとの出来事を打ち明けることもしなかった。
裏切るようなことはしなかったし、ナナミが事実を曲げてマキに告げるとは思えない。
万が一、そんなことがあっても、その時はちゃんと事実を話せばマキは分かってくれるはずだ。
とにかく事を大きくしたくなかった。
そして一週間ほどが過ぎた。
その日、ユウトはマキの部屋へと向かっているとスマホが鳴った。
当のマキからだった。
「ゴメンね、、、急な用事が入って遅くなるかも、、、部屋で待っててくれる?」
「分かった、そうするよ、、、」
合鍵で部屋に入ると今度はリクから電話がはいった。
酔っているのかテンションが高い。
いつになく一方的に話をしてくる。
「先輩、、、俺、これからマキさんと二人で逢うんです、、、」
えっ?
「俺、、、マキさんのこと好きなんです、、、ナナミよりもずっと、、、」
コイツ、、、ふざけているのか?
「そんなこと言って、、、ナナミちゃんに怒られるぞ、、、」
「あんなオンナ、、、構いません、、、だって、マキさんの方がずっといいオンナじゃないですか?優しいし、キレイだし、、、カラダだってスゴイし、、、」
こいつ、、、どんなつもりなんだ、、、
「俺、、、これから告白します、、、ナナミより好きだって、、、付き合って下さいって、、、」
ユウトは酔っぱらいの戯言だと思った。
だいたいマキが他の男と二人きりで逢うはずがない。
「ふーん、リク、、、何でそんな冗談を言うんだ?」
「あっ、信じてないんだ?余裕ですね、、、でもね、、、この前、俺たちキスしたんですよ、、、マキさん、最初はダメだって言ってたけど、受け入れてくれました、、、」
バカな、、、そんなはずはない、、、
「その後はマキさんからもキスしてくれました、、、スゴイやつを、、、マキさんの舌って長くて、柔らかいんですね、、、何回もキスしているうちにオッパイ触ってもいいよって、、、マキさんのオッパイ、やっぱりすごかったです、、、乳首舐てって言うから、、、しました、、、マキさんの声、すごくエロくて、、、その日はそこまでだったけど、、、俺もうマキさんしか考えられません、、、だから、これから思いきって正式に告白します、、、ああ、ちゃんと先輩にはこうやって前振りしたんだからジャマはナシですよ、、、ああ、マキさんが来たから電話切りますね、、、」
電話は本当に切れた。
たちの悪いイタズラだと思った。
度が過ぎている。
マキに電話してみようとしたが思いとどまった。
俺はマキを信頼している。
他の男とキスするなんて、胸を晒して乳首を舐めらせるはずがない。
マキを疑う様な真似はしたくない。
マキはリクと逢ってるはずがない。
ユウトは信じてマキの帰りを待った。
つづく
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